新NISA開始から半年 個人投資家はJTなど高配当株に注目 人気トップは12%も下落

AI要約

新しい少額投資非課税制度(NISA)が令和6年1月にスタートして、6月末で半年となる。トップ10には日本たばこ産業(JT)やKDDIなどの高配当株が並び、消費者向けの銘柄が目立った。

成長投資枠とつみたて投資枠の2つがあり、値がさ株は避けられる傾向。値がさ株は購入が難しく、投資経験のない人にとってハードルが高い。

株価が低い銘柄、特に株式分割を行った銘柄がNISAで人気。例えば、NTTや三菱UFJフィナンシャル・グループ、KDDIなどが人気を集めている。

新NISA開始から半年 個人投資家はJTなど高配当株に注目 人気トップは12%も下落

新しい少額投資非課税制度(NISA)が令和6年1月にスタートして、6月末で半年となる。インターネット証券最大手、SBI証券の協力を得て、個人投資家がどのような銘柄を買っていたかを分析したところ、トップ10には日本たばこ産業(JT)やKDDIなどの高配当株が並び、消費者向けにモノやサービスを販売しているなじみのある銘柄が目立った。最小購入単位が小さな銘柄が多く、1位は昨年7月の株式分割で買いやすくなった日本電信電話(NTT)だったが、株価は年初来で1割超下落していた。

■「低株価」銘柄人気

新NISAには、個別株も購入できる成長投資枠(年間投資額の上限240万円)と、決められた投資信託の中から選ぶつみたて投資枠(同120万円)があり、金融機関に口座を開設すると、この2つを併用して資産形成を進められる。

一般的に使われる「特定口座」との買い付け銘柄の違いについて、SBI証券投資情報部の栗本奈緒実さんは、「NISAでは値がさ株(1単元あたりの株価の水準が高い銘柄)は避けられる」と話す。「成長投資枠に上限がある中で、値がさ株は単元株での買い付けができなかったり、分散投資がしづらかったりする。投資経験があまりない方にとっては、大きな金額になるほど心理的ハードルも高くなると考えられる」と指摘する。

例えば、個人投資家に人気のレーザーテックや東京エレクトロンは、27日の終値でみると、いずれも最小単元の100株を購入するのに350万円程度必要。成長投資枠の上限を超えるため、現在の株価水準ではNISAで購入できないことになる。

首位のNTTは、5年7月に実施された1株を25株に分ける株式分割により、最小単元を1万数千円で購入できるようになった。分割前は40万円超必要だった。このことが、NISAで人気になった大きな理由だとみられる。3位の三菱UFJフィナンシャル・グループや4位のKDDIも、競合する企業と比べると株価が安く、買いやすいという特徴がある。

■無期限の配当非課税が好感