米最高裁、政府規制当局の権限を制限-「シェブロン法理」覆す

AI要約

米最高裁が、政府の規制権限を制限する重要な判決を下した。

「シェブロン法理」が覆されたことで、環境や消費者保護、金融監督などの規制に影響が出る可能性がある。

この判断は新たな政策分野における規制作業にも影響を及ぼし、立法化と裁判所の役割に注目が集まる。

(ブルームバーグ): 米連邦最高裁判所は28日、曖昧な法律を政府の規制当局が解釈できる法理を無効にした。何十年も続いた法理が覆されたことで、環境や消費者保護、金融監督において政府機関が持つ権限が制限される。

今回争点となったのは、漁業規制をめぐる訴訟で1984年に出された判決に由来する「シェブロン法理」と呼ばれるもの。これを最高裁判事が6対3で覆し、大きな政府に反対する保守派に待望の勝利をもたらした。民主党政権はこの法理を根拠に、新たな規制を設けてきた。

今回の最高裁判断は長期間維持されてきたルールだけでなく、これから政府機関が有する権限についても新たな疑問を呈する。特に暗号資産(仮想通貨)や人工知能(AI)といった新しい分野におけるルール作りには重要な意味を持つ。今回の判断により、政策に関する問題については立法化を通じて議会が直接的に対応するよう求めるとともに、規制当局が権限を超えた場合には、それを抑制する責務を下級裁判所の判事に与える。

ロバーツ最高裁長官は意見書で「シェブロン法理が作られたことで、判事は法律で定められた責務を無視することが求められた」と述べた。

原題:Supreme Court Overturns Chevron Rule in Blow to Agency Power (1)(抜粋)

--取材協力:Kimberly Robinson、Erik Larson.

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