「大麻」の個人使用、ブラジルで解禁へ 最高裁がその判決を下した理由

AI要約

ブラジルは、個人使用の大麻を解禁し、世界最大の人口を持つ国となった。この決定は大麻の受容が進む世界での最新の事例である。

ブラジルの最高裁判所は、40グラムまでの大麻所持を罰せられないと裁定し、18ヵ月間の有効期間を設定。ただし、大麻の販売は依然として刑事犯罪のままだ。

長らく厳しく取り締まられてきた麻薬取引において、多くの黒人男性が不利な扱いを受けてきたが、今回の大麻解禁決定で状況が変わる可能性がある。

「大麻」の個人使用、ブラジルで解禁へ 最高裁がその判決を下した理由

ブラジルが6月26日、個人使用の大麻を解禁し、人口2億300万人の同国は、同様の措置を講じた国々のなかで世界最大となった。大麻が世界的にますます受容されるようになっていることを示す最新の事例だ。

ブラジルの連邦最高裁判所は、国民が大麻を40グラムまで(大麻たばこ約80本分)所持しても罰せられないと裁定した。この決定は数日以内で発効し、そこから18ヵ月間は有効になる。

裁判所はブラジル議会と保健機関に対して、その有効期間が過ぎたあとに国民が所持できる大麻の定量を設定するよう依頼した。大麻を売ることは刑事犯罪のままだ。

法律アナリストらによれば、何千人ものブラジル人がこの新しい基準以下の量の大麻を所持していた罪で懲役刑を受けている。今回の決定が、そうした有罪判決にどう影響するのかは不明だ。

その多くが黒人男性で、人口に占める割合は27%ながら、麻薬取引で起訴された被告の61%を占めている。黒人のブラジル人の多くが、白人であれば起訴される場合が少ないか、まったくないような状況で起訴されていることが複数の研究で示されている。

ブラジルは長らく、麻薬を厳しく取り締まってきた。そこから国民の大麻吸引を事実上認める決定に至ったのは、この20年で世論と公共政策に著しい変化があったからこそだ。