32歳独身「年収650万円」です。経済的に余裕はありますが、残業「月60時間」です。自分の時間を持つため、多少年収が下がっても「転職」すべきでしょうか?

AI要約
年収650万円の高さと残業時間の長さについて解説高収入とは何か、残業の上限との比較転職時の注意点と残業代の影響
32歳独身「年収650万円」です。経済的に余裕はありますが、残業「月60時間」です。自分の時間を持つため、多少年収が下がっても「転職」すべきでしょうか?

納得のできる年収を得られていたとしても、残業が多く仕事がつらいという人もいるのではないでしょうか。現状の生活水準を維持したいという気持ちがある一方で、身体を壊さないようにしつつ、自分の時間も楽しみたいと考える人もいるでしょう。

本記事では「32歳で650万円」という年収が、他の人と比べて高いのかどうか、また残業時間「月60時間」はどれほど長いのかを解説します。ぜひ参考にしてみてください。

国税庁が実施している「令和4年分 民間給与実態統計調査」によると、1年を通して勤務を継続した労働者の平均給与額は458万円のようです。同調査の結果をもとにすると、年収650万円であれば、全世代の平均年収よりも1.5倍近い収入を得られていることが分かります。

続いて、図表1の給与階級別分布の分布図を確認しましょう。

図表1

国税庁 令和4年分 民間給与実態統計調査より筆者作成

同調査の結果である図表1からは、年収600万円超700万円以下の人は上位20%以上に入ることが分かりました。つまり、「年650万円超の人はおよそ5人に1人しかいない」といえます。そのため、日本の平均年収と比較して「高収入」といえるでしょう。

労働基準法を参考に、「月60時間」という残業時間がどれほど長いのかを確認しましょう。労働基準法では、休日の時間外労働(休日労働は含まない)の上限は、原則として「月45時間・年360時間」と定められています。

つまり、「月60時間」という残業時間は、月単位でみても、年単位でみても、上限を超えていることになるため、残業時間が非常に長くなってしまっていることが分かります。

なお「月60時間」の残業ができるのは、特別な事情があったとしても年間に上限6回までです。年間を通して続けてしまうと、罰則(6か月以下の懲役または30万円以下の罰金)が科される恐れがあります。

残業時間を減らすことを目的に、残業がない・残業が少ない企業に転職する場合には、年収がダウンしてしまう可能性がある点に注意が必要です。今まで支給されていた残業代が、転職後につかなくなってしまうからです。

もちろん転職活動を通して、交渉次第では年収を高めることも可能です。よい条件でのオファーが見つかるまでじっくりと転職活動を行うとよいでしょう。

また、「転職回数を多くし過ぎないこと」にも注意が必要です。転職回数が多すぎる人は、面接官から「この人は採用してもすぐに辞めるのではないないか」と思われる可能性があります。実際に「何回以上転職している人は面接しない」という独自基準を設けている会社も存在するようです。