「年金世帯」や「低所得者世帯」に追加の給付金を検討へ。年金の平均月額「厚生年金でも月14万円台」に【一覧表】で詳しく見る

AI要約

2024年6月21日の記者会見で、岸田総理が年金世帯や低所得者への給付金追加と電気・ガス料金補助を検討することを述べた。

厚生年金と国民年金の平均月額はそれぞれ14万円台と5万円台で、年金受給者数には個人差がある。

給付金や補助金を受ける年金世帯が増える中、生活が厳しい世帯も多い。

「年金世帯」や「低所得者世帯」に追加の給付金を検討へ。年金の平均月額「厚生年金でも月14万円台」に【一覧表】で詳しく見る

2024年6月21日の記者会見において、岸田総理は年金世帯や低所得者世帯への追加の給付金を検討すると述べました。

また、同会見では「酷暑乗り切り緊急支援」として8~10月分の3か月間で電気・ガス料金補助を行うとも表明しています。

不安が叫ばれる年金ですが、国民年金の平均月額は5万円台、厚生年金でも14万円台となっており、今年度は増額されるも実質的には目減りとなっており、止まらぬ物価高の中では不安を感じる年金世帯も多いでしょう。

今回は上記2つの対策について同会見を振り返りながら、国民年金と厚生年金の受給権者数を1万円刻みでみていきます。

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首相官邸「岸田内閣総理大臣記者会見」によれば、物価高から守る「二段構え」の対応の第一段のうちの一つとして、8~10月分の3か月分の電気・ガス料金補助を「酷暑乗り切り緊急支援」として行います。

具体的な内容については早急に与党と調整するとのことですが、円安が続く今、エアコンなど電気代がかかる夏~秋における電気・ガス料金補助は助かるでしょう。

また、第二段の対策の一つとして、物価高に苦しむ年金世帯や低所得者世帯を対象に追加の給付金が検討されるとのことです。

なお、給付金については昨年は住民税非課税世帯や低所得世帯へ10万円給付が、また今年度は新たに住民税非課税世帯等となった世帯に10万円給付が決定されています。

新たな追加給付金が検討されている年金世帯。

年金への不安は高まっていますが、平均的な受給額はいくらでしょうか。

厚生労働省「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」をもとに、厚生年金と国民年金の平均年金月額を確認します。

●国民年金(老齢基礎年金)の受給額

〈全体〉平均年金月額:5万6316円

 ・〈男性〉平均年金月額:5万8798円

 ・〈女性〉平均年金月額:5万4426円

● 厚生年金の平均年金月額

〈全体〉平均年金月額:14万3973円

 ・〈男性〉平均年金月額:16万3875円

 ・〈女性〉平均年金月額:10万4878円

※国民年金部分を含む

国民年金は月5万円台、厚生年金は月14万円台となっています。

実際には年金受給額には個人差があり、加入状況や、厚生年金は収入に応じて納めた保険料により個人差が大きくあらわれるものです。

国民年金と厚生年金について、1万円刻みで受給権者数も確認しましょう。

●【国民年金一覧表】受給額ごとの人数(1万円刻み)

 ・1万円未満:6万5660人

 ・1万円以上~2万円未満:27万4330人

 ・2万円以上~3万円未満:88万1065人

 ・3万円以上~4万円未満:266万1520人

 ・4万円以上~5万円未満:465万5774人

 ・5万円以上~6万円未満:824万6178人

 ・6万円以上~7万円未満:1484万7491人

 ・7万円以上~:178万3609人

●【厚生年金一覧表】受給額ごとの人数(1万円刻み)

 ・1万円未満:6万1358人

 ・1万円以上~2万円未満:1万5728人

 ・2万円以上~3万円未満:5万4921人

 ・3万円以上~4万円未満:9万5172人

 ・4万円以上~5万円未満:10万2402人

 ・5万円以上~6万円未満:15万2773人

 ・6万円以上~7万円未満:41万1749人

 ・7万円以上~8万円未満:68万7473人

 ・8万円以上~9万円未満:92万8511人

 ・9万円以上~10万円未満:112万3972人

 ・10万円以上~11万円未満:112万7493人

 ・11万円以上~12万円未満:103万4254人

 ・12万円以上~13万円未満:94万5662人

 ・13万円以上~14万円未満:92万5503人

 ・14万円以上~15万円未満:95万3156人

 ・15万円以上~16万円未満:99万4044人

 ・16万円以上~17万円未満:104万730人

 ・17万円以上~18万円未満:105万8410人

 ・18万円以上~19万円未満:101万554人

 ・19万円以上~20万円未満:90万9998人

 ・20万円以上~21万円未満:75万9086人

 ・21万円以上~22万円未満:56万9206人

 ・22万円以上~23万円未満:38万3582人

 ・23万円以上~24万円未満:25万3529人

 ・24万円以上~25万円未満:16万6281人

 ・25万円以上~26万円未満:10万2291人

 ・26万円以上~27万円未満:5万9766人

 ・27万円以上~28万円未満:3万3463人

 ・28万円以上~29万円未満:1万5793人

 ・29万円以上~30万円未満:7351人

 ・30万円以上~:1万2490人

※国民年金部分を含む

上記も見てわかるとおり、個人差が大きい年金額。

厚生年金の平均月額では、男性と女性でも約6万円の差がみられました。

上記の1万円刻みの受給権者数をみると厚生年金のボリュームゾーンは「9~11万円台」、「15~20万円台」ですが、10万円未満の方も約250万人います。

国民年金のみの夫婦であれば、平均額でも月約11万円。

年金世代に多い厚生年金の夫と国民年金の妻の組み合わせでも、平均で月約22万円となります。

年金だけでは生活が苦しく、物価高には対応しきれず貯蓄を切り崩すなどの世帯も少なくないでしょう。