「急な話でビックリ」 電気・ガス代補助再開、急転換に官僚困惑

AI要約

岸田文雄首相は、5月使用分で打ち切る予定だった電気・ガス料金の補助を、8月から3カ月間再開すると発表した。

この決定は急なものであり、関係省庁も戸惑いを覚えている。

補助金は2023年1月から続いており、燃料価格の高騰により4兆円近くが投じられてきたが、今回の再開は予想外であった。

「急な話でビックリ」 電気・ガス代補助再開、急転換に官僚困惑

 岸田文雄首相は21日、5月使用分で打ち切るはずだった電気・ガス料金の補助を、8月から3カ月間の期間限定で再開すると発表した。この日、通常国会が事実上閉会するのにあわせて開いた記者会見で表明したが、唐突な方針転換に、関係省庁には戸惑いが広がる。

 「急な話で、びっくりしている」。補助金を所管する経済産業省の幹部は驚きを隠さない。足元の燃料価格は落ち着いており、再開する理由がないとみていたからだ。

 補助金はロシアによるウクライナ侵攻で燃料価格が高騰したため、2023年1月使用分から始まった。平均的な家庭で電気が月1700円前後、ガスが800円前後安くなり、政府はこれまで4兆円近くを投じた。補助額は段階的に縮小し、今年3月には液化天然ガス(LNG)と石炭の価格が侵攻前までに下落したとして、5月使用分で終了すると決めた。