パナ、EV成長にらみ供給強化 米電池新工場を公開

AI要約

パナソニックエナジーが米国カンザス州に電気自動車向けリチウムイオン電池工場を建設し、2024年度末までに量産開始を目指す。北米市場の供給力を強化し、成長が見込まれるEV需要に対応する。

米国で2拠点目となる新工場は年間40万台のEV用電池を生産し、米新興EVメーカーに供給する計画。将来性を見据えた投資として位置付けられる。

パナソニックはEV市場の伸び悩みを踏まえ、電池事業計画を先送りする方針を示すも、カンザス工場の製造責任者は米国市場に対して強気な見通しを示す。

 【デソト共同】パナソニックHD傘下で電池事業を手がけるパナソニックエナジーは20日、米カンザス州の電気自動車(EV)向けリチウムイオン電池工場の建設現場を公開した。工場は2024年度末までの量産開始を目指し、重要視する北米市場での供給力を強化して中長期的に成長が見込まれるEV需要に対応する。

 パナソニックは現在、ネバダ州の工場で主にテスラ向けの車載電池を製造している。カンザス工場は米国で2拠点目の電池工場として、22年11月に着工。敷地面積は約121万平方メートルで、約4千人の従業員が働く予定だ。年間でEV約40万台分の生産能力を備える計画で、材料に改良を加えた高容量の電池を製造し、米新興EVメーカーなどに供給することを想定する。

 北米でのEV市場はパナソニックの想定より伸び悩んでいる。今月の戦略説明会では31年3月期までに売上高3兆円超を目指すとしていた電池事業の計画を事実上、先送りする方針を示した。

 20日に取材に応じたカンザス工場の製造責任者は「米国での需要に対してはまだ強気だ」と説明した。