スマホと同じくクルマもワイヤレス充電が可能に!? 自然界からもヒントを得て開発する「マーレ」の技術力

AI要約

クルマに関する最新技術の展示会「人とくるまのテクノロジー展2024 YOKOHAMA」が開催されました。ドイツの自動車部品メーカー「マーレ」が注目の最新技術を展示しています。

マーレの最新技術のひとつ「バイオニックバッテリークーリングプレート」は、リチウムイオン電池の冷却システムで、サンゴ礁の形状を取り入れた効率的な設計が特徴です。

さらに、EVの充電システムの課題解決策として開発が進められている「ワイヤレスチャージング」についても探究しています。

スマホと同じくクルマもワイヤレス充電が可能に!? 自然界からもヒントを得て開発する「マーレ」の技術力

 クルマに関する最新技術の展示会「人とくるまのテクノロジー展2024 YOKOHAMA」が、2024年5月22日~24日、横浜市のパシフィコ横浜で開催されました。世界中のクルマの最新技術が集結する会場で見つけた「マーレ」の注目すべき、最新技術を紹介します。

「マーレ」は、ドイツを本拠地とする自動車部品メーカーです。自動車エンジンに関連する部品を得意とし、ピストンやバルブといった構造部品だけでなく、カーエアコンやエンジンの冷却システムなどエンジンに関連する部品を多く製造していますが、近年ではEVなど電動車向けのシステムや部品も手掛けています。

「バイオニックバッテリークーリングプレート」は、マーレが手掛けるリチウムイオン電池用の冷却システムのひとつです。プレート表面にある凸面の内部に流体の冷却剤を循環させることで、同プレートの上部に設置されたリチウムイオン電池を、常に10度~40度の最適な温度に保つようにします。その「水路」の形状は、とても不均等でいびつな形状をしていますが、その形にこそ高効率化の秘密が隠されています。この形状により圧力損失が最大20%減少し、熱伝達は10%増加するということで、その効果は絶大といえます。

 この不思議な水路のデザインは、なんとサンゴ礁からヒントを得たもの。サンゴは、海中で激しい潮の流れを受けながらも、満遍なく栄養を行き渡らせることで生命を維持しています。その形状をコンピューター解析してみたところ、均等に熱交換をおこなっていることが分かったそう。それをクーリングシステムに取り入れることで、効率を高めているのです。工業製品は、自然界からヒントを得て開発することがありますが、このユニークな水路も、そのひとつというわけです。

 EVの普及において重要となるのが、充電システムです。しかしながら、現在のEVの一般的な普通充電および急速充電のシステムでは、ケーブルによる接続が必要となり、利用者にとって煩わしさがあるのも事実でしょう。その課題解決策のひとつとして開発が進められているのが「ワイヤレスチャージング」です。