国民をバカにしている! 自民党が政治資金規正法改正で「外部監査強化」ではなく「第三者機関」にした許しがたい理由とは

AI要約

衆議院を通過した政治資金規制法改正案の参議院での審議が続いている。自民党は早期の可決成立を目指しており、公明党と日本維新の会の主張を踏まえた修正が加えられている。

改正法には、政治資金集めのパーティー券や政策活動費に関する規定が盛り込まれているが、野党や新聞各紙からは「ザル法」と厳しい批判がされている。

法案には一定の進展があるものの、具体的な問題への対策が不十分であり、成立しても施行まで時間がかかるという課題が残る。

国民をバカにしている! 自民党が政治資金規正法改正で「外部監査強化」ではなく「第三者機関」にした許しがたい理由とは

 衆議院を通過した政治資金規制法改正案の参議院での審議が続いている。6月23日の国会会期末を控えて、自民党は早期の可決成立を目指している。公明党と日本維新の会の主張を踏まえて修正した法案でもあり、この両党が翻意しなければ可決する見通しだ。

 もっとも、この改正法が成立したからと言って、政治資金を巡る不正や不祥事が根絶できるとは到底思えない。野党も新聞各紙も「ザル法」だと厳しく批判している。国民民主党の玉木雄一郎代表も「ザルに申し訳ないですね。ザルの方がもっと物がすくえる。(改正案は)もう穴が開きまくっている。裏金問題の対策にまったくなっていない」とまで言っている。

 改正法では、政治資金集めのパーティー券について、購入者の氏名・職業を公開する基準を現行の「20万円超」から「5万円超」に引き下げたほか、政策活動費については、経常経費を除く全ての支出について項目別の金額や支出の年月を政党の収支報告書に記載することが盛り込まれている。自民党案では当初、20万円超を10万円超に引き下げるとしていたが、連立与党の公明党も納得せず、結局、岸田文雄首相の決断で5万円超に引き下げた。

 岸田首相や自民党議員からすれば、これだけ譲歩したのだから国会で通るのは当たり前ということなのだろう。確かに一歩前進と見ることもできるが、これまで議論に上った会計責任者が逮捕された際の議員本人の「連座制」や、政策活動費の領収書公開、政治資金をチェックする外部監査の強化などは法案に具体的な条文は盛り込まれなかった。

 付則には、政治資金に関する犯罪で起訴された場合に政党交付金のうち、その議員の人数割分を停止する制度を創設することや、政策活動費の支出の年間上限額を定めて10年後に領収書を公開すること、政治資金のチェック機能を強化するための「第三者機関」の設置などが盛り込まれている。だが、いずれも具体的な制度設計などは国会論戦では明らかになっておらず、「先送り」の感が否めない。しかも、成立したとしても、法律の施行が2027年1月1日となっており、それまでの間はパーティー券の規制は現状通りとなるため、ここにも批判が集まっている。