〔FOMC〕米利下げ想定「年内1回」に減少=7会合連続金利据え置き―FRB

AI要約

FRBは12日のFOMCで政策金利を7回連続で据え置き、2024年内の利下げ回数を1回と予想を減らした。インフレ鈍化が停滞する中、金利を維持し、物価上昇圧力を緩和する方針を発表。

政策金利は01年以来の高水準で5.25~5.50%のまま。インフレ率予測は2.6%でFRBの2%目標を上回る見通し。ただし、物価指数は鈍化傾向である。

FRBは金利据え置きの長期化を示唆し、政策判断は景気や物価の動向を踏まえて慎重に行う姿勢を示している。

 【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は12日の連邦公開市場委員会(FOMC)で、政策金利を7会合連続で据え置くことを決めた。最新の政策金利見通しでは、2024年内の利下げ回数を1回と想定、従来の3回から減らした。インフレ鈍化の動きが停滞する中、当面は金利を維持し、忍耐強く物価上昇圧力の緩和を促す。

 政策金利は01年以来の高水準となる年5.25~5.50%のまま。決定は全会一致だった。

 FRBは声明で「インフレが持続的に2%へ向かうという、より大きな確信を得るまで、利下げは適切と考えていない」との方針を堅持。一方、インフレ鈍化では「ここ数カ月、一段の小幅な進展があった」との認識を示した。前回会合では「進展がなかった」としていた。

 同日発表の会合参加者の政策金利見通し(中央値)は24年末が年5.00~5.25%。0.25%幅で1回の利下げを行うシナリオが提示された。3月時点での見通しは3回だった。インフレ鈍化があまり進んでいないことから、金利据え置きの長期化を示唆した。長期的な金利見通しも2.8%と、3月時点の2.6%から上方修正された。

 24年末のインフレ率予測は2.6%(3月時点は2.4%)に上方修正。FRBの物価目標である2%を依然上回ると予測された。24年10~12月期の実質GDP(国内総生産)は、前年同期比2.1%増で変わらなかった。

 この日公表された5月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比3.3%上昇と、2カ月連続で鈍化し、市場予想も下回った。ただ、物価安定には程遠い状況で、FRBは利下げを急がず、景気や物価の動向を見極めた上で慎重に政策判断を行う構えだ。

◇米連邦公開市場委員会(FOMC)

 米国の中央銀行に当たる連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策に関する最高意思決定機関。議長、副議長を含む理事と、全米12地区の連邦準備銀行総裁が参加し、年8回開催される。3カ月ごとに政策金利と経済の見通しが発表され、政策の方向性を示す手掛かりとして注目される。