「ラーメン12万杯売らないと…」新札発行まで3週間に迫る中…券売機ピンチ
新紙幣導入に伴う券売機の対応について混乱が広がっている。
ラーメン店では新紙幣対応の券売機への交換による出費が痛手となっており、値上げを余儀なくされている。
新紙幣導入による券売機の交換作業が逼迫しており、多くの飲食店や自動販売機で対応が遅れている。
ラーメン店などに設置されている券売機。紙幣を入れると戻ってきてしまうかもしれません。約3週間後に迫る新紙幣の発行を巡り、現場では混乱も起きています。
いよいよ、発行が7月3日に迫る「新紙幣」。
見る角度によって顔の向きが変わる3Dホログラムも導入された“最先端のお札”ですが、実は、偉人たちも驚くような影響がラーメンに及んでいるんです。
東洋麺家 天野太雅社長
「今回50円の値上げでかなりの幅なので『そこまで高いと』という声もある」
天野さんは都内で4店舗のラーメン店を経営。そのうちの1店舗で10日、行われていたのは…
東洋麺家 天野太雅社長
「(Q.(動かすのは)何年ぶりですか?)10年ぶりくらい」
券売機を従来の機械から、新紙幣対応のものに交換です。
東洋麺家 天野太雅社長
「1台200万円以上しますね。それに対して補助金とかもおりますので、(4店舗の)合計で600万円くらいの出費」
4店舗で600万円の痛い出費。その回収のため、ラーメン一杯50円の値上げをしましたが…
東洋麺家 天野太雅社長
「12万杯売らないと、もとは取れない計算」
600万円を回収するには、12万杯分のラーメンが必要だというんです。
ところで街のみなさん、現金はお持ちですか?
30代女性
「日本はまだ100%キャッシュレスじゃないから、現金は持ってた方が安心感はある」
70代女性
「(所持現金は)1万いくらって感じ、少し持っていないと不安」
まだまだ根強い現金の利用。実は、飲食店などの券売機の半数で、新しいお札が使えない恐れもあるんです。
新紙幣対応の券売機を販売する業者は大忙しです。
券売機の販売業者
「6月・7月はスケジュールが埋まっていまして、7月3日に新しいお札が出るが、間に合わないかたちになる」
実は、全国の券売機を使った飲食店などで、7月3日に更新が間に合いそうなのは、たったの5割程度。自動販売機にいたっては、2割にとどまる見通しです。
機械を通して新紙幣が使えない場面が、あちこちで発生する恐れが…
券売機などの交換、なぜ間に合わないのでしょうか?
エルコム 川浪武盛 専務取締役
「第一は、まだ間に合うだろうという気持ちがあったのでは。飲食店は価格高騰もあるし、設備投資にお金を使いたくない」