〔東京外為〕ドル、155円台後半=輸出企業の売りで(6日正午)

AI要約

東京外国為替市場でのドルの対円相場は、輸出企業の売りに押されて155円台後半に下落。市場が米国の経済指標に注目している中、ドル安・円高の流れが続いている。

米国の雇用報告が市場予想を下回り、ドルが売られたが、サービス業指数が高水準を記録し、ドル買いが強まった。その影響で東京市場ではドルが売られ、円が買われる流れとなった。

日銀の中村審議委員の発言が注目されている中、輸出企業の円買い需要が円高を後押し。ユーロは対円で横ばい、対ドルでは上昇している。

 6日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、輸出企業の売りなどに押され、1ドル=155円台後半に下落した。正午現在は155円64~66銭と前日(午後5時、156円14~15銭)比50銭のドル安・円高。

 前日の米国時間には、米民間雇用サービス会社ADPが5月の全米雇用報告を発表。非農業部門の民間就業者数(季節調整済み)は前月比15万2000人増となり、市場予想を下回ったため、ドル売りが優勢となった。ただその後、米サプライ管理協会(ISM)が発表した5月のサービス業購買担当者景況指数(PMI)が昨年8月以来約9カ月ぶりの高水準となり、市場予想も上回ったため、ドル買い・円売りの流れが強まった。

 東京時間の早朝は156円前後で推移し、その後は円高方向に傾いた。「輸出企業の円買い需要が背景にあった」(大手証券)とされ、仲値にかけて実需のドル売り・円買いが通常より多くみられたもようだ。

 日銀の中村審議委員が午前の金融経済懇出席に続き、午後は会見を行う予定で、発言内容が注目されている。

 ユーロは朝方に比べ対円でもみあい。対ドルでは上昇。欧州中央銀行(ECB)は6日の定例理事会で利下げを決定する公算が大きい。正午現在、1ユーロ=169円52~53銭(前日午後5時、169円73~77銭)、対ドルでは1.0891~0892ドル(同1.0871~0872ドル)。