〔東京外為〕ドル、156円台前半=押し目買いで上昇(5日午後5時)

AI要約

5日の東京外国為替市場でのドルの対円相場は、急落からの押し目買いにより156円台前半に上昇。米国時間の経済指標次第で動向が変わる見通し。

日銀の金融政策正常化や米FRBの利下げ観測が市場に影響を与え、一部メディアの報道なども円相場に影響。値頃の買いが入り、ドルは買い戻しを見せる展開。

ユーロは対円で上昇し、対ドルで下落。5月の経済指標発表が円相場に大きな影響を与える可能性がある。

 5日の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、前日の海外市場での急落で押し目買いが強まり、1ドル=156円台前半に上昇した。午後5時現在は、156円14~15銭と前日(午後5時、155円38~38銭)比76銭のドル高・円安。

 午前は、五・十日による国内輸入企業のドル買い・円売りが旺盛だったほか、長期金利の低下にも支援され、155円40銭台へ上昇した。

 午後も、押し目買いや時間外取引での米長期金利上昇でじり高となり、終盤には156円10銭台に水準を切り上げた。

 前日の海外市場では、一部メディアが「日銀、今月にも国債購入減額を具体的に検討」と報じたほか、4月のJOLTSの非農業部門就業者数が2カ月連続で減少したことなどから売りが強まり、154円台半ばと約3週間ぶりのドル安・円高水準を付けた。市場関係者は「日銀の金融政策正常化と、FRBの利下げ開始が意識された」(外為仲介業者)と話す。また、メキシコやインドの政局不安も、リスク回避の円買いを誘ったとみられる。

 東京市場のドル円は、一転して買い戻しが活発化。市場関係者は「特段の材料はなく、週初からの下落スピードが速かったため、値頃の買いが入った」(国内銀行)と説明。JOLTS発表後に付けた安値から1円50銭以上、上昇した。

 米国時間に5月のADP、ISMサービス業PMIが発表される。前日と同様に低調な結果続けば、利下げ観測が一段と強まり、ドルは売り直される可能性がある。

 ユーロは対円で上昇、対ドルで下落。午後5時現在は、1ユーロ=169円73~77銭(前日午後5時、169円20~21銭)、対ドルでは1.0871~0872ドル(同1.0890~0890ドル)。