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のり弁“400円の壁”突破 のり不作で苦渋の値上げ 原材料費↑で「いたちごっこ」
お弁当屋さんがのりの値上げで苦境に立たされている。顧客からはおいしいと評判だが、食材の値上がりが続いており、400円を超える値上げを余儀なくされている。
のりの値段上昇の背景には、有明海での異変が影響している。プランクトンの増加により、のりに栄養が行き届かずに生産量が減少し、価格高騰に拍車がかかっている。
のり弁当の値上げを含む状況において、お弁当屋さんは食材コストの逼迫に苦しんでおり、維持していた400円の壁を超えざるを得ない状況にある。
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町のお弁当屋さんが具材の値上げでピンチです。「のり弁」になくてはならない「のり」も4割値上がりし、400円の壁を超える苦渋の決断を迫られています。
東京・港区麻布十番にあるお弁当屋さん。お昼時には、次々と客が訪れます。
客
「多い時は週2、3日は利用しています。種類も多いと思うし、おいしさが抜群かな」
「おいしいと思う。場所柄もっと(高い値段が)してもおかしくないと思う」
お手頃価格がウリのこの店。毎月、悩まされているのが食材の値上げです。
きのくにや 濱田安宏オーナー
「毎月毎月なんかしら値上げの情報が入ってきて、またかまたかというような状態が続いています」
値上げの波は今月も続いていて、「加工食品」や「菓子」など、その数はおよそ600品目にも上ります。
なかでも店主が気を揉んでいるのが、おにぎりや弁当などで多く使うのりの値上げです。
濱田オーナー
「4割ぐらい、去年の頭に比べて段階的に上がっています。食材の中でも値段は安定しているものだったが、今回バタバタと上がってしまって、コスト的には逼迫(ひっぱく)したような状態」
のりを含めた食材の高騰に耐えきれず、4月にはすべての商品を2割近く値上げ。店の弁当の中で最も安いのり弁当は、380円から450円になりました。
濱田オーナー
「一番リーズナブルな400円以下(の弁当)というのは、のり弁当だけだったので。それが400円を上回るというのは、大きな決断でした」
守りたかった「400円の壁」。それを超えざるを得ないほど、物価が上昇しています。
のりの値上がりの背景にあるのが、一大産地の九州・有明海で起きている異変です。
佐賀県有明水産振興センター
担当者
「有明海では、(のりが)プランクトンと海中の栄養塩を競合している(奪い合っている)が。プランクトンがかなり増えてしまっていて、のりにいってほしい栄養塩がプランクトンの方にいってしまう」
冬に暖かい日が続いたことで、プランクトンが増殖。その結果、のりに栄養が回りきらず、色落ちの被害が相次いだといいます。
市場に出回るのりの量は、去年と同様に今年も少ないままで、価格の高騰を招くこととなったのです。
有明海ののり漁業者
海苔太郎さん
「去年にしても、今年にしても、数年前では考えられないぐらいの生産枚数でしょうね。だいたい6割~7割ぐらい、例年と比べて。最高品質ののりを追い求めているので。自然が相手というのは自分の力でどうしようもないじゃないですか。やっぱり、歯がゆいというか」