24年の旅客数、過去最高の世界50億人に IATA年次総会

AI要約

IATAは世界の航空会社の今年の純利益予想を305億ドルと発表。旅客数は過去最高の約50億人となり、アジア太平洋地域の航空会社が最も顕著な成長を見せる。

アラブ首長国連邦のドバイで開催されている第80回IATA年次総会では、2024年に記録的な50億人の航空旅行者が見込まれ、航空旅行のニーズが高まっていると述べられた。

ウォルシュ事務総長は旅客1人当たりの利益が低いことを指摘し、サプライチェーンの問題解決と機材の効率的な運航が収益性の改善につながると語った。

24年の旅客数、過去最高の世界50億人に IATA年次総会

 IATA(国際航空運送協会)は現地時間6月3日、世界の航空会社による今年の純利益予想は305億ドル(約4兆7800億円)、純利益率は3.1%になるとの見通しを示した。前年の274億ドル(純利益率3.0%)を11.3%上回り、前回2023年12月の発表から48億ドル上方修正した。旅客数は過去最高の約50億人となり、総収入も過去最高の前年比9.7%増の9960億ドルを見込む。

◆アジア太平洋は純利益22億ドル

 旅客数は過去最高の約49億6000万人で、コロナ前2019年の45億4000万人を大幅に上回り、旅客収入は前年比15.2%増の7440億ドルを見込む。2023年から2043年までの旅客需要は、毎年3.8%の成長が見込まれるとしている。

 地域別の予測は、全地域で2年連続の黒字が見込まれる。中でもアジア太平洋地域の航空会社の黒字が最も顕著としており、純利益は前年比3.7倍の22億ドルを見込む。日本と中国、豪州の国内市場回復が主要因となる。

 アジア太平洋地域の海外旅行は依然低迷しており、特に中国はコロナ前の水準を下回っている。このことは、海外旅行需要が回復する余地が残されていることを示しており、将来の成長見通しを押し上げる可能性が高いとしている。

◆空の旅「かつてないニーズの高まり」

 アラブ首長国連邦のドバイで2日から開かれている第80回(年次総会)で、IATAのウィリー・ウォルシュ事務総長は3日、「2024年に予想される純利益総額305億ドルは、最近のパンデミックによる深刻な損失を考慮すれば大きな成果だ。2024年には記録的な50億人の航空旅行者が見込まれており、飛行機を利用したいというニーズはかつてないほど高まっている」と述べた。

 一方で、旅客1人当たりの利益は6.14ドルにとどまる。「6.14ドルという利益は、世界の多くの地域で、コーヒー1杯を飲むのもやっとの薄利であることを示している。収益性を改善するためには、サプライチェーンの問題を解決し、需要に応じて効率的に機材を運航できるようにすることが極めて重要だ」とウォルシュ氏は語った。