米国防長官、中国との直接対話の意義強調…アジア安全保障会議で演説

AI要約

米国のオースティン国防長官がシンガポールでのアジア安全保障会議で演説し、米中関係の安定化を強調。米中防衛相会談の重要性やインド太平洋地域への関与強化などに言及。

オースティン氏は中国軍との直接対話の重要性を強調し、偶発的な衝突回避への期待や国防相会談の継続を求めた。

さらに、日韓やASEANとの安全保障協力を強調し、南シナ海問題においてフィリピンの海上防衛能力向上や中国の威圧的な動きをけん制する姿勢を示した。

 【シンガポール=田島大志】米国のオースティン国防長官は1日、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議で演説した。前日に1年半ぶりに対面で実現した米中国防相会談について「率直な意見交換をした。重要なものだ」と述べ、米中の関係安定に向けた直接対話の意義を強調した。インド太平洋地域への関与強化も訴えた。

 オースティン氏は、中国軍との関係について「軍高官同士が直接話すしかない。誤算を避けるため、オープンな対話に代わるものはない」と述べ、偶発的な衝突回避に向けた軍間の対話活性化に期待を示した。国防相会談の継続も求めた。

 一方、オースティン氏は日韓との安全保障協力や東南アジア諸国連合(ASEAN)各国との連携強化を例に挙げ、「米国はインド太平洋(地域)に深く関与している。我々はどこにもいかない」と強調した。

 中国とフィリピンとの領有権争いで緊張している南シナ海を巡っては、同盟国と協力してフィリピンの海上防衛能力を向上するとし、「全ての国に国際法が許す限り自由に航行し、活動する権利がある。フィリピンが直面している嫌がらせは危険だ」と述べ、中国の威圧的な動きをけん制した。