米国防長官「インド太平洋は米国の最優先戦域」 中国にらみ同盟国に連携呼び掛け

AI要約

オースティン米国防長官は、アジア安全保障会議でインド太平洋地域を最優先の戦域と位置付け、中国の軍事的圧力に対抗する必要性を訴えた。

オースティン氏は台湾海峡の現状維持や南シナ海での法の支配を強調し、同盟国や友好国との連携強化を呼び掛けた。

オースティン氏は、日米の協力関係の重要性や極超音速兵器への対抗策など、米国の世界戦略における連携の重要性を説明した。

【ワシントン=坂本一之】オースティン米国防長官は1日、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議で演説し、「インド太平洋地域は米国にとって最優先の戦域だ」と述べた。中国が東・南シナ海で軍事的圧力を強化していることを踏まえ、同盟国や友好国に連携強化を呼び掛けた。

オースティン氏は「われわれは台湾海峡の現状維持を支持し、南シナ海における法の支配のために立ち上がってきた」と指摘。中国の名指しを避けつつ、軍事的圧力に対抗していく必要性を訴えた。

中国が南シナ海で続けるフィリピン船への妨害行為を念頭に「フィリピンが直面している嫌がらせは危険だ」と非難し、同国の防衛を支援していく姿勢を示した。「米軍は依然として地球上で最も戦闘力のある軍隊だ」とも語り、軍備増強を図る中国を牽制(けんせい)した。

今年4月にワシントンで開かれた日米首脳会談で岸田文雄首相が「法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序を守り、強固にしなければならない」と述べたことを紹介。同盟国や友好国で連携を強化する重要性を強調した。

また、極超音速兵器を迎撃する「滑空段階迎撃用誘導弾」(GPI)の日米共同開発や、戦闘機エンジンの米印共同生産を説明し、同盟国などとの協力が「米国の世界戦略における最大の優位性だ」と語った。