日本人男児刺殺〝反日〟中国に毅然対応せよ! 6月の襲撃に続く「第2の凶行」防げなかった重大責任「『遺憾』ではおかしい」

AI要約

中国広東省深圳市の日本人学校に通う男子児童が刺されて死亡した事件で、悲しみと怒りが広がっている。容疑者の詳細な情報は明かされず、日本人の安全確保への懸念が高まっている。

中国外務省は事件を「同種の事件はどの国でも起こり得る」とコメントしたが、これまでの反日感情や事件の経緯を考えると重要な問題がある。

日本政府は中国側に事実関係の説明を求め、日本人の安全確保と再発防止を強く訴えている。

日本人男児刺殺〝反日〟中国に毅然対応せよ! 6月の襲撃に続く「第2の凶行」防げなかった重大責任「『遺憾』ではおかしい」

中国広東省深圳市の日本人学校に通う日本人の男子児童(10)が刺されて死亡した事件で、悲しみと怒りが広がっている。容疑者の男(44)の詳細な情報は明かされず、中国外務省の報道官は「同種の事件はどの国でも起こり得る」と言い放った。だが、6月にも日本人学校のスクールバスを待つ未就学児童と母親が襲われたばかりで、「第2の凶行」を防げなかった責任は重大だ。中国の「反日教育」などで反日感情があおられていることが問題の底流にあり、日本人の安全確保への懸念は強まる一方だ。岸田文雄首相は「中国側に事実関係の説明を強く求める」と述べたが、識者からは、より毅然(きぜん)とした措置を求める声が出ている。

事件は18日、男児の登校中に発生した。腹部を刺され病院で手術を受けたが19日未明に死亡した。地元警察は容疑者の男を拘束したが、名前や職業、動機、供述内容などは明らかにされていない。

深圳で対応にあたっている金杉憲治・駐中国大使は同日、中国の孫衛東外務次官と電話会談を行った。日本大使館によると、孫氏から事件について「前科のある者による個別の事案である」との説明があったという。

また、中国外務省の林剣報道官は記者会見で「同種の事件はどの国でも起こり得る」「個別の事件が中日両国の往来や協力に影響しないと信じている」と話した。

だが、本当に「個別」の「どの国でも起こる」事件だといえるのか。

事件のあった18日は満州事変の発端となった柳条湖事件から93年で、中国は「国辱の日」と位置付け、中国のSNSでは「日本を打倒せよ!」などと反日感情をあらわにする投稿も目立った。

6月には江蘇省蘇州で日本人母子が男に刃物で切り付けられたばかりだ。

中国国内では不動産バブル崩壊による不況が長期化し、青年層は高い失業率に苦しんでいる。こうした不満のはけ口に「反日感情」が利用されている側面もある。

前駐オーストラリア大使の山上信吾氏は「中国は映画や学校で日本の軍国主義批判などの反日教育を続け、日本への反感が根強い。呉江浩中国大使の『日本の民衆が火の中に連れ込まれる』という発言をはじめ、外交官が好戦的な『戦狼外交』を行っており、国民も『外交官が言っているなら自分がやっても大丈夫』と思ってもおかしくない」と話す。

岸田首相は19日、記者団に「極めて卑劣な犯行で、重大かつ深刻な事案だ。日本人の安全確保と再発防止を求め、日本政府としてできることを全て行う」と述べた。また、上川陽子外相は「卑劣な行為で誠に遺憾だ。深い悲しみを禁じ得ない」とした。