米国のカップルが交際してすぐ同棲に踏み切る「やむを得ない事情」とは

AI要約

若者たちが家賃節約のために交際初期から同棲を始める傾向が増えている。

住宅費や生活費を節約するために同棲を選んだカップルが増加中。

住宅価格の高騰やインフレが若者たちの経済的判断に影響を与えている。

米国のカップルが交際してすぐ同棲に踏み切る「やむを得ない事情」とは

コロナ禍を経て、全米で家賃が高騰。なおインフレに苦しむなか、若者たちは家賃を節約するために付き合いはじめるとすぐに同棲するカップルが増えているという。交際初期の同棲について、米紙がカップルたちに聞いた。

キャロライン・リーとコリン・ワンは、8ヵ月の交際後に同棲を始めた。28歳のワンはカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の医学部最終年に在学していたが、当時住んでいた2ベッドルームのアパートにカビが発生していることを知り、すぐに引っ越さなければならなかったものの、新居を見つけるのに苦労していたと米「ニューヨーク・タイムズ」紙は報じる。

「キャンパスに近くて、価格もリーズナブルな物件を探すのは非常に難しかった。しかも、学期の途中だったから」とワンは語る。

一方、24歳の看護師であるリーは、カリフォルニア州サンタモニカ近くにある3ベッドルームのアパート(家賃5000ドル)に住んでいたが、2人のルームメイトのうち1人が契約途中で引っ越すこととなり、新しい部屋を探していた。

結局、このカップルは住宅費や生活費を節約するために、交際の早い段階で同棲を選んだ。こうしたカップルが今、全米で増えているという。

「若い世代は特に、大都市では家賃が高いため、節約する方法を見つける必要があります」と、ある不動産企業のアナリストは言う。最近の調査によると、恋人と同棲したことがあるZ世代の回答者の80%、ミレニアル世代の回答者の76%が、経済的や物理的な理由、またはその両方が同棲の決め手となったと答えている。

イエレン米財務長官は2024年5月、「米国では手ごろな価格の住宅が圧倒的に不足しており、住宅問題が深刻になっている」と指摘。住宅価格は在庫不足を背景に過去最高水準にあり、住宅を含むインフレ対策は大統領選挙の争点の一つとなっている。

一方、ニューヨーク州で出会ってすぐに同棲に踏み切ったエヴァ・ハーシュ(26)は、早すぎた同棲を後悔していると話す。当時はカップルになったら、家賃を節約するためにも同棲が「次にすべき当然のステップ」のように感じたと振り返った。

「当時は、カップルなら皆すぐに同棲をしていました。でも振り返ってみると、もっと長く待ってから同棲すべきでした」「同棲を試してみたのは良い経験だったけれど、いまから別の人と交際するにはかなりの努力が必要になるでしょうからね」