札幌のマンション家賃上昇 1年で1割超 住宅高騰で高まる需要 建設コスト高背景

AI要約

札幌で賃貸マンションの家賃が上昇しており、家族向け物件の平均家賃は過去最高値を記録している。建設コストや住宅販売価格の上昇による需要増が背景にある。

新築物件の家賃が高騰し、大家が家賃を引き上げる動きが活発化している。投資家による分譲マンションの購入も相場を押し上げている。

札幌市内の家族向けマンションの家賃が顕著に上昇しており、単身者向けやカップル向けに比べて増加率が高い状況が続いている。

札幌のマンション家賃上昇 1年で1割超 住宅高騰で高まる需要 建設コスト高背景

 札幌で賃貸マンションの家賃が上昇している。民間の調査によると、家族向け物件の平均(募集時)は月額約9万円と、ここ1年間で1割以上も上がり、調査を始めた2015年以降の最高値を記録。背景には、建設コストの高騰に加え、住宅販売価格の上昇を受けた需要の高まりがある。設備の充実した高級物件の需要も強く、相場全体を底上げしている。

 「築浅の家族向けは募集すれば即申し込みがある。分譲マンションや戸建ての販売価格高騰で賃貸を選ぶ人が増えており、引き合いは強い」。賃貸仲介道内大手のビッグ(札幌)の担当者はそう語る。

 同社によると、人件費や資材費など建設コストの上昇で新築物件の家賃が高くなり、こうした状況を意識して、昨年ごろから入居者の入れ替わりに合わせて家賃を数千円程度引き上げる大家が増加。投資家がタワー型など分譲マンションを購入し、高い家賃で賃貸に出すケースが増えていることも、相場を引き上げる要因になっている。

 不動産情報サービスのアットホーム(東京)によると、札幌市内の家族向けマンション(50~70平方メートル)の7月の平均募集家賃は8万9968円。前年同月比で11.9%上昇し、3カ月連続で最高値となった。単身者向け(30平方メートル以下)は同5.3%上昇の4万3001円、カップル向け(30~50平方メートル)も同2.9%上昇の6万487円となっているものの、家族向けの上昇が目立つ。