駐中国大使が遺族と面会 深セン市副市長に申し入れ

AI要約

日本人学校の男子児童が深センで刺されて死亡した事件に関し、金杉憲治駐中国大使が遺族にお見舞いを述べた。また、日本側と事件の真相を共有するよう求めた。

副市長は日本人の安全確保や学校の警備強化に努めると回答。事件を個別のものと見なしていると認識された。

保護者会では、精神的な影響を軽減するための助言が行われ、安全確保の具体策の要望があり、徒歩通学の安全確保も議論された。

 【深セン共同】中国広東省深センで日本人学校の男子児童が刺されて死亡した事件を受けて現地入りした金杉憲治駐中国大使は19日、記者団に対し、遺族と会い「お見舞いを申し上げた」と述べた。深セン市の羅晃浩副市長とも面会し、邦人の安全確保や日本人学校の警備強化を要請した。事件の真相を究明して日本側と内容を共有するよう求めた。

 副市長側からは日本人の安全確保に万全を期し、日本人学校の警備についてもさらに努力するとの回答があった。「個別の事件と判断している」との認識も示されたという。日中関係全体に響くものではないとの立場とみられる。

 19日午後には日本人学校で臨時の保護者会が開かれた。塚本昌夫校長によるとスクールカウンセラーもオンラインで参加。保護者に対して、子どもへの精神的な影響を軽減させるための助言をした。

 保護者からは日本政府や学校に対して安全確保の具体策を求める声が上がった。死亡した男児は歩いて登校中に襲われたため、徒歩通学での安全確保についても要望があった。今週は休校し、来週はオンライン授業とする。同校では警備員14人を雇っていたほか、地元警察も付近を警備していた。