被災地復興で日本評価 国連機関「思慮深い」

AI要約

国連防災機関(UNDRR)が2017年から世界で起きた災害10事例を分析した報告書を発表。被災しやすい人々や地域を理解し、対策の必要性を強調。

キショール国連事務総長特別代表は日本の災害対応と復興を高く評価。阪神大震災後の神戸港の備えを称賛。

報告書によると、メキシコの地震では古い家屋や違法建築の崩壊が問題になり、耐震性基準と保険の改善が課題となった。

 【ジュネーブ共同】国連防災機関(UNDRR)は18日、2017年から世界で起きた地震や洪水など10事例の報告書を発表した。科学的な分析を通じて被災しやすい人々や地域を理解しながら対策する必要性を強調。同機関トップのキショール国連事務総長特別代表(防災担当)は、日本の災害対応や復興の取り組みを「思慮深い」と評価した。

 今年6月に神戸や仙台、能登半島を視察したキショール氏は、阪神大震災で被災した神戸の港は現在、津波や異常気象にも備えを取っているとして「日本はより良い復興の実践で先駆けになってきた」と述べた。

 報告書によると、17年9月にメキシコ中部で起きたマグニチュード(M)7.1の地震では、少なくとも326人が死亡。耐震性の基準が改善されてきた一方で、メキシコ市内に残る古い家屋や違法建築は多くが崩れ、公共の建物しか保険に入っていなかった。