イスラエル軍がガザ南部攻撃で40人殺害とハマス当局

AI要約

パレスチナ自治区ガザ地区南部ハンユニスの避難民キャンプがイスラエル軍の空爆で襲われ、少なくとも40人が殺害され、数十人が負傷した。イスラエル軍はハマスの戦闘員を標的とし、民間に被害を最小限に抑えるための対策を講じたと主張した。

現地の目撃者やボランティアによると、空爆により大きな被害が発生し、多くの人々がテントの下に取り残された。ボランティアは自ら手を貸して被害を救おうとしていた。

攻撃の理由については、イスラエルとハマスの間で主張が食い違い、ハマスは攻撃された地域に自己のメンバーがいなかったと主張している。ガザ地区における緊張が高まり続けており、多くの犠牲者が出ている。

イスラエル軍がガザ南部攻撃で40人殺害とハマス当局

ラシュディ・アブアルーフ・ガザ特派員、トマス・マッキントッシュ記者

パレスチナ自治区ガザ地区南部ハンユニスのアル・マワシ地区で、避難民がテントで暮らしていた場所がイスラエル軍の空爆に遭い、少なくとも40人が殺害され、数十人が負傷したという。イスラム組織ハマスがガザ地区で運営する民間防衛当局が10日早朝、BBCに明らかにした。

イスラエル軍は、ハンユニスにあるハマス戦闘員の作戦拠点を空爆したと説明。民間人への危害を最小限に抑えるための策を講じたとしている。

現地住民によると、ハンユニスの西にある人道保護区域アル・マワシで避難民が暮らすテントを標的に、3回の攻撃があり、地面に巨大な着弾痕(クレーター)が残った。

「40人が殺害され、60人以上が負傷したほか、まだ大勢ががれきの下に残っている」と、ハマス運営の民間防衛当局幹部はBBCに話した。

複数の目撃者はBBCに、深夜0時から間もなくアル・マワシ地区で巨大な爆発が繰り返され、炎が高く立ち上るのが見えたと話した。

攻撃された現場近くに住む慈善団体のボランティア、ハレド・マフムードさんは、自分が他のボランティアと一緒に現場へと急ぎ、被害の規模に呆然(ぼうぜん)としたのだと話した。

「深さ7メートルものクレーターが三つできていて、20以上のテントが埋まっていた」とマフムードさんは話した。

未検証の動画には、空爆でできた深い穴から住民を助け出そうと、民間人が素手で砂を掘り起こそうとしている様子が映っている。

イスラエル国防軍(IDF)報道官はソーシャルメディア「テレグラム」への投稿で、「ハンユニスの人道保護区域に偽装して設けられた司令拠点で活動する、テロ組織ハマスの主要テロリスト」を攻撃したのだと説明した。

「攻撃に先立ち、民間人に危害をもたらす可能性を削減するため、多くの策を講じた。これには、精密誘導兵器の使用による空爆、追加インテリジェンスの活用などが含まれる」と報道官は述べた。また、「イスラエル国家とIDFに対するテロ行為実行のため、テロ組織はガザ地区で、人道区域を含め、住民と民間インフラを体系的に利用し続けている」と主張した。

これに対してハマスは、攻撃された地域にハマス戦闘員がいたことを否定。イスラエル軍の主張は「あからさまな」うそだと非難した。

「抵抗勢力はこれまで繰り返し、民間人の集まる地区に自分たちのメンバーはいないし、そうした場所を軍事利用していないと、反論してきた」とハマスは述べた。

ハマスは昨年10月7日にイスラエル南部を奇襲攻撃し、約1200人を殺害したほか、251人を人質にした。これを受けてイスラエルがガザ地区で開始した軍事作戦を受けて、何万人ものパレスチナ人はガザ南部ハンユニスへ避難した。

ハマスが運営する保健省によると、ガザではイスラエルの攻撃によってこれまでに4万900人以上が殺害されている。

(英語記事 Israeli strikes kill 40 in southern Gaza, Hamas-run authorities say)