「韓国原発輸出」に待ったをかける米ウェスチングハウス、チェコは韓国側だが…(2)

AI要約

チェコに建設される新しい原子力発電所の事業が進展しているが、米政府の承認が焦点となっている。

韓国水力原子力は自社の技術でウェスチングハウス関連の懸念を解消できると自信を持っており、チェコ政府も韓国を支持している。

しかし、米政府の態度次第で事業が進むかどうかが決まるため、韓国政府も緊密に協議を続けている。

今後の焦点はまず米政府が申請を承認するかに合わされる。韓国原子力学会のチョン・ボムジン会長は「米政府が承認しない名分はない」と予想する。チェコは今回の事業に先立ち4基の原発を建設し運営しているが、もしも核兵器を作ろうとする場合にはこの原発を活用すれば良く、韓国水力原子力がチェコに追加で原発を作るからと核兵器拡散の可能性が拡大するものではないためだ。

こうした背景から韓国水力原子力はウェスチングハウス関連の懸念を解消できると自信を持つ。韓国水力原子力のファン・ジュホ社長は28日の講演で、「近くうまく解決するだろう」と話した。韓国水力原子力内部では「最初から米政府の同意を受ける必要はない」との主張まで出ている。過去にウェスチングハウスの基本技術を持ってきたのは事実だが、現在はそれを発展させ独自技術で「APR1400」を作ったという理由からだ。チェコの新しい原発にはAPR1400をさらに改良した「APR1000」が適用される予定だ。

発注元であるチェコも韓国の肩を持っている。チェコ通信社が27日に伝えたところによると、チェコのフィアラ首相は「新規原発建設入札には何の問題もないものと予想する」と明らかにした。他のチェコ政府関係者はウェスチングハウスの陳情をめぐり「入札に失敗した企業が通常的に取る措置」と評価した。

ただ完全に安心することはできない。米政府が自国企業であるウェスチングハウスの顔色をうかがうほかはないからだ。どうにかして韓国のチェコ原発事業実行にブレーキをかける可能性を無視するのは難しいという話だ。さらにウェスチングハウスは「(本社所在地である)米ペンシルベニア州の雇用1万5000件を含めチェコと米国のエネルギー関連雇用数万件を韓国に奪われる」としながら自国中心主義を展開する米政府を刺激している。ペンシルベニア州は11月の米大統領選挙の激戦州のひとつでもある。このため韓国政府は米政府と緊密に協議を継続している。ある韓国政府高位関係者は「韓国水力原子力とウェスチングハウスの間、両国政府間でウィンウィンになる案を議論中」と話した。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は29日の国政ブリーフィングと記者会見で「あまり心配しないで」と話した。