「韓国原発輸出」に待ったをかける米ウェスチングハウス、チェコは韓国側だが…(1)

AI要約

韓国水力原子力が最近24兆ウォン規模のチェコ原発建設事業を受注したが、競合企業の米ウェスチングハウスの反発が障害となっている。

ウェスチングハウスが基本技術を活用されていることや米政府の同意など、問題点が浮上している。

韓国水力原子力はウェスチングハウスと独自に米政府の同意を得る必要性があり、今後の展開が注目される。

「韓国原発輸出」に待ったをかける米ウェスチングハウス、チェコは韓国側だが…(1)

韓国水力原子力が最近24兆ウォン(約2兆6259億円)規模のチェコ原発建設事業を事実上受注したが、来年3月の最終契約時までに解決しなければならない障害物がひとつある。競合企業のひとつだった米ウェスチングハウスの反発だ。

原発業界によると、ウェスチングハウスは先月26日、チェコの反独占事務所に陳情を出した。韓国水力原子力が先月17日にチェコ原発建設事業の優先交渉対象者に選ばれたことと関連してだ。①韓国水力原子力がウェスチングハウスの基本技術を活用しており②ウェスチングハウスを通じた米政府の同意なく第三者が使えるようにする権利はない――というのが陳情書の骨子だ。ウェスチングハウスは入札初期の2022年10月に米国の裁判所にも同様の内容で訴訟を起こし現在2審が進行中だ。

韓国水力原子力の原発建設の基本技術がウェスチングハウスにあるのは事実だ。ウェスチングハウスは1957年に商業用加圧水型原子炉(PWR)を世界で初めて開発した企業だ。また、韓国水力原子力はチェコ事業を遂行する前に米政府の同意を受ける必要性もある。韓国と米国が含まれた原子力供給国グループ(NSG)は核兵器拡散を防ぐために各国政府が原発輸出を統制しているが、韓国は米企業のウェスチングハウスの基本技術を土台とするため米政府の同意を得なければならないというのがNSG内の大半の意見だ。韓国水力原子力が2009年にアラブ首長国連邦の原発建設事業を受注する時もウェスチングハウスを通じて米政府の同意を得た。

ウェスチングハウスが2009年には協力したが、今回は協力しないということだ。世界的な親原発の流れにより今後各国で原発建設があふれると予想される中でチェコ事業受注により有利な立場を先取りした韓国水力原子力をウェスチングハウスが牽制に出たという見方が業界から出ている。チェコ事業の一部を分けてもらおうとするという分析も提起される。現在ウェスチングハウスの筆頭株主はカナダのファンドだ。ファンドは短期的に利益を最大化しようとする傾向がある。

ウェスチングハウスが非協調的に出ると韓国水力原子力は2022年11月、米エネルギー省に直接チェコ原発事業関連書類を提出し申請した。だが米エネルギー省は「関係法令により米国人または米国法人が申請しなければならない」として認めなかった。これに対しウェスチングハウスは「ウェスチングハウスを通じて申請しろという意味」と解釈する。しかし韓国水力原子力は「必ずしもウェスチングハウスでなければならないということではない」とみる。韓国水力原子力が米国に法人を作りこれを通じて申請するか米国の法律事務所などを通せば良いということだ。