スターライナーのクルー、クルードラゴンで帰還へ

AI要約

米ボーイングの新型有人宇宙船「スターライナー」のクルー2人がISSから帰還することになり、米スペースXの有人宇宙船「クルードラゴン」を利用する。

NASAは安全性を検討した上での決断で、スターライナーのトラブルによる延長滞在を解消するための措置。

クルー2人はスターライナーの帰還が予定される前に、クルードラゴンでISSから帰還し、スターライナーの有人飛行の承認が待たれる。

スターライナーのクルー、クルードラゴンで帰還へ

(CNN) 国際宇宙ステーション(ISS)に80日間以上足止めされている米ボーイングの新型有人宇宙船「スターライナー」のクルー2人が来年、米スペースXの有人宇宙船「クルードラゴン」で帰還することになった。米航空宇宙局(NASA)が24日に発表した。

NASAはこの日、スターライナーでクルー2人を安全に帰還させることができるかどうかを正式に検討したうえで決断を下した。

ネルソン長官は、NASAこれまで経験した成功例や失敗例に基づく決断だと述べた。局内全体の意見も一致しているという。

スターライナーは本格的な運航前の有人飛行試験としてNASAの飛行士2人を乗せ、6月に打ち上げられた。だがISSに到達するまでにエンジン28基のうち5基が突然停止し、ヘリウム漏れが見つかるなどのトラブルが続発。8日間の予定だったISS滞在を延長し、問題の解明に向けた調査が進められた。

ボーイングは今月2日の時点で、スターライナーで飛行士2人を安全に帰還させることは可能だと自信を示していた。一方NASAは7日、2人をクルードラゴンで帰還させる案が真剣に検討されていることを明らかにしていた。

スペースXはもともと、ISSに飛行士4人を運ぶ交代ミッション「クルー9」を予定していた。この人数を2人に減らすことで、帰還時にスターライナーの2人を乗せる席が空く。2人はクルー9のメンバーとしてISSで6カ月間活動し、早ければ来年2月に帰還する。

スターライナー自体は来月初めに無人で帰還させる。無事に戻った場合、NASAはスターライナーの定期的な有人飛行を承認するかどうかの難しい決断を迫られることになる。