有人での地球帰還断念 ボーイング宇宙船、安全に懸念 NASA

AI要約

米ボーイング社の新型宇宙船「スターライナー」の初の有人試験飛行が地球帰還を断念。

飛行中の不具合の原因究明を進めていたが、安全性への懸念が解消できなかった。

宇宙飛行士2人は無人状態で地球に戻り、宇宙滞在期間は8カ月に延長されることに。

 【ニューヨーク時事】米航空宇宙局(NASA)は24日、米航空大手ボーイングが初の有人試験飛行として6月に打ち上げた新型宇宙船「スターライナー」について、有人での地球帰還を断念したと発表した。

 飛行中に発生したヘリウム漏れなどの不具合の原因究明を進めていたが、安全性への懸念が払拭できないと判断した。

 スターライナーは国際宇宙ステーション(ISS)にドッキング中で、9月上旬に無人の状態で地球に戻す。スターライナーでISSに到達した宇宙飛行士2人は、イーロン・マスク氏が設立した米宇宙企業スペースXの宇宙船「クルードラゴン」で来年2月に帰還する。当初8日間の予定だった宇宙滞在は約8カ月に及ぶことになる。

 NASAのネルソン長官は24日の記者会見で「安全を最優先させた」と説明した。NASAは2011年のスペースシャトル退役を受け、ボーイングとスペースXにISSと往還する有人宇宙船開発を委託した。