ウクライナ侵攻開始から2年半 爆発で“精神不安定”のライオンがイギリスに避難
ウクライナ侵攻により戦闘が続き、動物の健康状態が悪化している。被爆したアフリカライオンのメス、ユナがストレスで立ち上がれなくなり、イギリスの保護施設に移送された。
保護施設では他にもライオンを引き取る準備が進められており、多額の費用が必要。違法繁殖の影響でウクライナのライオンが避難先を求めている現状が明らかに。
ライオンを含む200頭の動物が避難を必要としており、保護団体が寄付を募集している。
ロシアのウクライナ侵攻の開始から24日で2年半です。戦闘の長期化によってウクライナでは動物の健康状態が悪化していて、海外に避難させる動きが進んでいます。
部屋の中でうずくまっているのはアフリカライオンのメス、ユナ（3）です。2024年1月、ユナが保護されていたウクライナ・キーウの施設から約300mの場所にミサイルが落下し、ユナは爆発による大きな音で脳震盪になったほか、ストレスで立ち上がれなくなりました。
「（苦しそうな）ユナの映像を見て、どんなサポートができるのか考えました。最終的にユナをウクライナから連れ出し、ここが彼女の終のすみかとなりました」（ビッグ・キャット・サンクチュアリ カム・ウェットネルさん、以下同）
ユナはイギリスにある大型ネコ類の保護施設に引き取られることが決まり、17日、ウクライナから約3日間かけてイギリスに到着しました。
「ユナはゆっくりとエサを食べ始めています。まだ外に出る勇気はないようですが、いつか芝生の上に足を踏み出すことを願っています」
「保護施設ではさらにライオンを引き取るため、ライオンが生活する建物や囲いが急ピッチで建設されています」（記者）
この施設では、ウクライナからさらに4頭のライオンを引き取ることを決めていて、5頭の移送などに約1億円かかると見込まれています。ウクライナから海外に避難が必要なライオンなどは少なくとも200頭いるということで、保護団体などが救助のための寄付を募っています。
ウクライナでは違法繁殖を目的に私設動物園などでライオンが育てられていて、戦況の悪化を受けて、ライオンを捨てて避難する飼い主もいるということです。（ANNニュース）
