「エムポックス」が急拡大 WHOが緊急事態宣言

AI要約

アフリカ中部で急拡大している感染症「エムポックス」がWHOによって「緊急事態」に宣言された。感染者数や死亡者数が増加し、国際的な懸念が高まっている。

コンゴ民主共和国を中心にアフリカで広まっており、2年前よりも感染力の強い変異株が確認されている。国内では天然痘ワクチンが発症予防効果を持つが、治療薬はまだ薬事承認されていない。

過去には欧米などでも男性同士の性行為を通じて感染が広がり、日本でも感染が確認されている。WHOが以前にも緊急事態を宣言していたが、今回の流行はより深刻な状況となっている。

「エムポックス」が急拡大 WHOが緊急事態宣言

 かつて「サル痘」と呼ばれていた感染症「エムポックス」がアフリカ中部で急拡大していて、WHO(=世界保健機関)が「緊急事態」を宣言しました。

 WHOのテドロス事務局長は14日、感染症「エムポックス」がアフリカ中部のコンゴ民主共和国で急拡大し、近隣諸国にも広がっていることを受けて、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。

 「エムポックス」は、2024年に入ってコンゴ民主共和国を中心にアフリカで1万7000人以上の感染が確認されていて、517人が死亡しています。

 厚生労働省などによりますと、「エムポックス」は2022年に、主に男性同士の性行為を通じて欧米などで感染が急拡大しました。WHOが2022年7月に緊急事態を宣言しましたが、その後、感染者数が落ち着き、2023年5月に宣言を解除していました。日本では2022年7月に国内最初の感染者が報告され、8月9日時点でのべ248人の感染が確認されています。

 今回のアフリカでの流行では、2年前よりも感染力の強い変異株が確認されているということです。国内では薬事承認された治療薬はありませんが、天然痘ワクチンで約85%の発症予防効果があるとされています。(ANNニュース)