EV制覇を狙うインドネシア 「バッテリー製造」に必要なニッケル、コバルトの生産量で世界をリード

AI要約

インドネシアはEVバッテリー製造に必要なニッケルとコバルトの生産量が世界の多くを占めるが、国内のEV生産には課題も多い。

韓国や中国など大手自動車メーカーがインドネシアでEV生産を開始しているが、保護主義的な政策や新技術の台頭による競争が懸念される。

環境に優しいLFPバッテリーの台頭や他国のEV産業の成長により、インドネシアのEV産業は厳しい競争に直面している。

EV制覇を狙うインドネシア 「バッテリー製造」に必要なニッケル、コバルトの生産量で世界をリード

大胆ながら、理にかなった計画と言えるかもしれない。何しろインドネシアは、EVバッテリー製造に必要なニッケルの生産量では世界の半分近くを占め、コバルトの生産量もコンゴに次ぐ2位。政府は補助金や税制優遇で成長分野のEVを推進している。【高木由美子(本誌記者)】

既に韓国の現代自動車や三菱自動車など大手がインドネシアでEV生産を開始している。中国の比亜迪(BYD)も今年中に参入予定だ。

とはいえ、インドネシアのEV生産が快適に走り続けるには課題も多い。アメリカやEUで保護主義的な政策が進み、自国のEV生産保護のためにインドネシアからの輸出を阻む可能性がある。

技術革新によりニッケルもコバルトも使用しないLFPバッテリーが世界で急成長しているのも懸念材料だ。

高価だがより環境に優しいこのバッテリーは、従来型バッテリー頼みのインドネシアEV業界を脅かすだろう。さらにはEVブームに乗りたいライバル国が増える可能性も高く、厳しい競争になりそうだ。