イスラエル通貨と株価が下落、報復懸念でボラティリティー高まる

AI要約

イスラエルの通貨シェケルが報復攻撃の懸念を受けて対ドルで1.5%安となり、株価も下落した。

ヒズボラとイランによる対イスラエル報復攻撃の懸念が高まり、シェケルのインプライド・ボラティリティーも急上昇した。

シェケルは過去12カ月で5%の下落を記録し、イランによる攻撃の懸念から価格変動が激しい状況となっている。

イスラエル通貨と株価が下落、報復懸念でボラティリティー高まる

[エルサレム 12日 ロイター] - イスラエルに対する報復攻撃の懸念が高まる中、12日のイスラエル金融市場で通貨シェケルが対ドルで一時1.5%安となった。テルアビブ証券取引所の株価は1%を超えて下落した。

イスラエル通貨はこの日の取引で一時、1米ドル=3.78シェケルまで下落。先週9日は3.72シェケルだった。

7月30日にイスラエル軍がレバノンの首都ベイルートを空爆し、ヒズボラのフアド・シュクル司令官が死亡。翌31日にイランの首都テヘランでイスラム組織ハマスのハニヤ最高指導者が死亡したことを受け、ヒズボラとイランによる対イスラエル報復攻撃の懸念が高まっている。

こうした中、シェケルのインプライド・ボラティリティーはここ数日で急上昇しており、フェニックスのデータによると、3カ月物は約11%と、昨年11月以来の高水準に達した。

ミズラヒ・テファホトバンクのチーフ・ストラテジスト、ヨニー・ファニング氏は「イラン(による報復)に対する懸念が高く、ボラティリティーの上昇につながっている」と述べた。

8月初め以降、シェケルは対ドルで0.1%上昇。ただ、過去12カ月の下落率は5%に達する。

インタッチ・キャピタル・マーケッツの上級為替アナリスト、ピオトル・マティス氏は「イランによるイスラエルへの攻撃が差し迫っているとの懸念が高まる中、シェケルが先週の上昇を維持することが難しくなっている」と述べた。