中国の婚姻数、再び減少 前年比49万組減 最少更新の可能性

AI要約

中国の婚姻数が再び減少に転じており、2024年上半期の婚姻数が前年同期比で49・8万組減少したことが明らかになった。

婚姻数の減少は、価値観の多様化や子育てコストの高騰、若者の就労環境悪化などが背景にあり、非婚化の進行が顕著だ。

地方政府は支援策を打ち出しているが、非婚化や少子化の現象に歯止めがかかっていないとされている。

中国の婚姻数、再び減少 前年比49万組減 最少更新の可能性

 中国の婚姻数が再び減少に転じている。2024年上半期の中国の婚姻数が343万組となり、前年同期比49・8万組減少したことが民政省の発表で明らかになった。23年の婚姻数は厳格な行動制限を伴う「ゼロコロナ」政策終了の影響などで10年ぶりに増加したが、一時的なものにとどまった模様だ。中国内の専門家は今年の婚姻数について1980年以降最少を更新する可能性があると指摘している。

 中国の婚姻数は、13年の1346万組をピークに減少し、22年には683万組とほぼ半減していた。今年は「ゼロコロナ」政策下の22年上半期と比べても30・2万組減っており、中国の非婚化の進行が鮮明になっている。

 背景として指摘されるのが、価値観の多様化のほか、高騰する教育費など子育てコスト、国内経済の低迷に伴う若者の就労環境の悪化などだ。SNS(ネット交流サービス)には「金もなく家もなく仕事もない。自分が生きるだけで精いっぱい」「この社会で誰が結婚する勇気があるというのだ」といった声が相次いでいる。

 中国の地方政府も育児休暇の延長や結婚奨励金などさまざまな支援策を打ち出しているが、非婚化や少子化に歯止めがかかっていない。【北京・岡崎英遠】