バングラデシュ政変は「頭痛の種」 前首相を保護する隣国のインド

AI要約

バングラデシュで20年にわたり首相を務めたハシナ氏が辞任に追い込まれ、インドへ脱出。インドはハシナ氏の滞在を受け入れつつ、反インド感情に注意。

インドとバングラデシュの関係の歴史的な深さや協力プロジェクトを振り返り、ハシナ氏の滞在に関する動向を解説。

インドとバングラデシュの相互関係が今後どう変化するか、国境警備や外交政策の影響を考察。

バングラデシュ政変は「頭痛の種」 前首相を保護する隣国のインド

 バングラデシュで約20年にわたり首相を務めたハシナ氏が、反政府デモの拡大で辞任に追い込まれた政変を巡り、隣国インドが難しい対応を迫られている。関係の深かったハシナ氏の国外脱出を受け入れたものの、過度に保護すれば現地で反インド感情が高まる恐れもあり、「頭痛の種」になっている。

 インドのジャイシャンカル外相は6日、議会で演説し、「バングラデシュとの関係は、何十年もの間、多くの政権下で非常に緊密なものだった」と強調。ハシナ氏や現地当局から急きょ、インドへの渡航や飛行許可の要請を受けたと明かしたうえで、国境警備隊の警戒態勢を強化していると説明した。

 インドの地元メディアによると、ハシナ氏は5日にインドに到着。英国に逃れるとの情報もあるが、滞在許可証が取得できるかは不透明で、インドでの滞在期間が長期化する可能性もあるという。

 インドは、バングラデシュが1971年にパキスタンから独立する際に支援するなど、歴史的に関係が深い。近年は、バングラデシュ南東部のマタバリ港を日本政府の支援で建設し、インド北東部の地域と一帯で開発していく計画も進められていた。