《ブラジル》第20回おきなわ祭り大盛況=琉球國祭り太鼓、圧巻500人演奏

AI要約

ブラジル沖縄県人会ビラ・カロン支部主催の「第20回おきなわ祭り」が開催された。食の広場や舞台演目など多彩なイベントが行われ、多くの来場者でにぎわった。

創作エイサー「琉球國祭り太鼓」ブラジル支部創立25周年を記念し、「団結一心」をテーマに演奏や舞踊が披露された。特に500人の演奏は感謝の意を表現した。

ビラ・カロン支部元支部長の高安宏治さんが祭りのきっかけを作り、団結心によって祭りが続けられている。現在の祭りの根底には沖縄文化の継承がある。

《ブラジル》第20回おきなわ祭り大盛況=琉球國祭り太鼓、圧巻500人演奏

 ブラジル沖縄県人会ビラ・カロン支部(上原マリオ正支部長)主催の「第20回おきなわ祭り」が8月3、4日の2日間にわたって、サンパウロ市ビラ・カロン区のハロルド・ダウトロ公園で開催された。

 今回は創作エイサー「琉球國祭り太鼓」ブラジル支部創立25周年も記念し、「団結一心」をテーマに実施。両日とも晴天に恵まれ、沖縄そば、ヒージャー汁(ヤギ汁)、サーターアンダギー(沖縄ドーナツ)などが販売された食の広場は来場者で混雑していた。

 また、特設中央舞台では琉球舞踊、琉球筝曲、三線などの沖縄芸能をはじめ、琉球空手の演武やラジオ体操、健康表現体操なども披露された。圧巻は「琉球國祭り太鼓」の総勢約500人での1時間にわたる記念演奏で、創立当初の指導者で2011年に亡くなった浦崎直秀さんへの感謝の気持ちが表現された。

 ビラ・カロン支部元支部長の高安宏治(ひろはる)さん(76)によると同祭のきっかけは、高安さんが沖縄県で毎年開かれている「那覇ハーリー」祭りに参加したこと。その際、屋台が数多く出店している様子を見て、「ビラ・カロン(支部)でも同じような祭りを実現させたい」と帰伯した後に提案。2003年、知花良治(よしはる)支部長(故人)時代に自ら実行委員長となり、「第1回春祭り盆踊り大会」と称して実現させ、翌04年から「おきなわ祭り」と改名し、コロナ禍中を除いて現在まで継続されてきたという。

 高安さんは「(同祭が)ここまで発展するとは思わなかったが、若い人たちの団結心によって沖縄文化を広めてくれていることが嬉しい」と笑顔を見せていた。

 3日午後5時から行われた開会式では、上原支部長、上原博実行委員長、高良律正ブラジル沖縄県人会長をはじめ、ブラジル日本文化福祉協会、サンパウロ日伯援護協会、ブラジル日本都道府県人会連合会など日系団体代表やサンパウロ市議会議員らが登壇。上原支部長は同祭が沖縄の伝統文化を次世代に継承していくことを目的に開催されてきたことに触れ、協力したすべての関係者に感謝の気持ちを伝えた。

 来賓祝辞の後に鏡割りが行われ、宮坂国人財団の西尾ロベルト理事長が乾杯の音頭を取った。

 ビラ・カロン地区に約40年住み、毎年夫婦で同祭に来ているという喜納保(きな・たもつ)さん(87、2世)は、「今日は天気が良すぎて、暑いくらい。(同祭スタッフの)若い人たちが本当によくやってくれているよね」と目を細めていた。