4兆3000億ウォンのサムスン半導体技術…中国に持ち出した元役員を送検

AI要約

元サムスン電子役員が中国で半導体企業を設立し、韓国の技術を不正に使用した容疑で検察に引き渡される。

中国企業がサムスン電子の核心技術を使用し、20ナノ級DRAM半導体を開発したが、実質的な収益はなかった。

警察は他の元役員も調査し、国家競争力低下や経済安全保障に影響を及ぼした事案として捜査を進めている。

4兆3000億ウォンのサムスン半導体技術…中国に持ち出した元役員を送検

サムスン電子が数兆ウォンを投じて独自に開発した核心技術を持ち出し中国で半導体製造企業を設立した元役員の身柄が検察に引き渡された。

ソウル警察庁産業技術安保捜査隊は9日、中国の半導体製造会社成都高真科技の代表と工程設計室長を拘束送検したと明らかにした。

警察によると、代表は2020年9月に中国地方政府と合弁で会社を設立した後、サムスン電子で首席研究員を務めた室長ら韓国の半導体専門人材を大挙引き抜き、サムスン電子のメモリー半導体核心技術を持ち出して不正に使用した容疑(産業技術保護法・不正競争防止法違反)を受けている。

サムスン電子とハイニックス半導体(現SKハイニックス)役員を務めた代表は20ナノ級DRAM半導体製造を目標にサムスン電子が独自に開発した工程段階別核心技術を持ち出して2022年4月に実際に半導体として機能を測定する基礎開発製品を生産した。

室長はこの過程でサムスン電子の核心技術を持ち出して成都高真科技に転職し、工程設計室長として核心的な役割をしたとされる。

警察によると、サムスン電子の18ナノ級プロセスの開発費用は約2兆3000億ウォン(約2430億円)、20ナノ級プロセス開発費用は約2兆ウォンに達するなど、被害技術の経済的価値は4兆3000億ウォンに達する。

サムスン電子は20ナノ級DRAM開発に向け研究員1000人以上を投じたが、成都高真科技はこうした研究開発の過程を経ずサムスン電子の数十年間のノウハウを不当に取得して試験的なウエハー生産水準にまで進入した。

成都高真科技は昨年6月ごろ20ナノ級DRAM開発に成功した後、量産に向け歩留まりを高めていく段階だったが、捜査により工場の運営は中断された。流出技術による実質的な収益はなかったと調査された。

警察はサムスン電子など韓国企業から成都高真科技に転職した他の役員社員も立件し追加の技術流出があったのかなどを調べている。

警察関係者は「韓国の半導体企業元役員が直接中国地方政府と合弁で韓国の技術で半導体生産を試みた点で国家競争力低下を招くなど経済安全保障の根幹を揺るがした事案」と話した。