ネタニヤフ氏に内外から強まる反発、ガザ停戦交渉進展なしで

AI要約

イスラエルのネタニヤフ首相が停戦に向けた交渉を進展させられないことに反発が強まっている。

停戦について首相と安全保障部門首脳の間で意見の対立が生じ、新たな条件が難航の一因となっている。

停戦交渉でイスラエルの安全保障と人質解放の重要性が争点となっている。

ネタニヤフ氏に内外から強まる反発、ガザ停戦交渉進展なしで

[エルサレム 5日 ロイター] - イスラエルのネタニヤフ首相がパレスチナ自治区ガザでの停戦に向けた交渉を進展させられないことを巡り、国内外から反発の声が強まっている。3人のイスラエル政府高官が明らかにした。

ネタニヤフ氏と安全保障部門首脳の間で、停戦について意見が対立していることも表面化。3人の政府高官は、政治問題によって停戦合意のチャンスが損なわれつつあるとの懸念を示している。

高官の1人は4日ロイターに「首相は停戦に関する決断を避け、全力で交渉を進めていないように感じる」と語った。

ネタニヤフ氏は、ガザになお拘束されている人質115人の解放が最優先だと繰り返しているが、イスラエルの安全保障を維持しなければならないとも強調している。

こうした中で複数の関係者は、停戦交渉はイスラエル側が新たに提示した条件が難航の一因になっていると指摘した。その条件とは、ガザ北部に居住していたパレスチナ人の帰還に際して必ずイスラエルによるチェックを義務化するという内容だ。

地元テレビ局「N12」によると、ガラント国防相はネタニヤフ氏に対して、この新たな条件によって停戦合意が不可能になっているとの見方を伝えたという。

ガラント氏やハレビ参謀総長は、これまでの戦闘でイスラム組織ハマスは弱体化しており、停戦で生じる問題には対処できるし、何より停戦合意を通じて人質を解放することが重要だと発言。これに対してネタニヤフ氏は、イスラエルの安全保障を停戦の「譲れない一線」と主張している。

停戦交渉に関してはネタニヤフ氏がバイデン米大統領との電話会談で、進展していると説明すると、バイデン氏が「でたらめを言うな」と憤まんをぶつけたとも報じられている。