ハマス幹部殺害、米イスラエル間に溝 バイデン氏、戦争拡大を懸念
イスラエルとアメリカの間で、ハマス最高幹部の殺害をめぐる意見の相違が明らかになっている。
ハマス政治局長の殺害が地域規模の戦争の引き金になる可能性について懸念が示されたが、イスラエルの首相は殺害が合意の早期達成に貢献すると主張。
両国の立場には違いがあり、今後の関係や対応が注目される。
イスラム組織ハマスの最高幹部の殺害をめぐり、バイデン米大統領とイスラエルのネタニヤフ首相の間に溝が生まれている。両国の複数のメディアが、最近の会談での2人のいさかいを報じた。
7月31日にイランの首都テヘランで起きたハマスの最高幹部イスマイル・ハニヤ政治局長の殺害には、イランと敵対するイスラエルが関与したとみられている。バイデン氏とネタニヤフ氏は直後の8月1日に電話会談した。
米紙ニューヨーク・タイムズが両政府当局者の話として報じたところによると、会談でバイデン氏は、「ハニヤ氏の殺害のタイミングが悪く、テヘランでの工作の実行は地域規模の戦争の引き金になりかねない」との見方を示した。
■ネタニヤフ氏は反論
これに対し、ネタニヤフ氏は、「交渉の中心人物だったハニヤ氏が死んだことで、数日間は進展が妨げられるものの、ハマスに圧力をかけることは合意を早めることになる」と主張。ハニヤ氏の殺害が、ガザの停戦と人質解放の交渉の支障になるとするバイデン氏に反論したという。