マイクロソフトが決算発表…AIへの巨額投資は投資家の忍耐力を試している(海外)

AI要約

マイクロソフトがAIへの大規模投資を行っており、リターンがいつ出るか不透明

同社は15年以上のタイムラインを提示し、設備投資とインフラに膨大なコストがかかることを明かす

投資家たちはAI時代に向けた巨額支出に懸念を示し、マイクロソフトの成長が鈍化していることに不安を覚えている

マイクロソフトが決算発表…AIへの巨額投資は投資家の忍耐力を試している(海外)

投資家たちは、マイクロソフトのAIへの巨額投資がいつリターンを生むのかを知りたがっている。

彼らはマイクロソフトの決算説明会はおそらく気に入らなかっただろう。

マイクロソフトは、収益化のスケジュールは「今から15年か、それ以降」だとしている。

巨大テック企業は、AIは永遠であると信じさせようとしている。

シリコンバレーからエバーグリーン州(ワシントン州)までの世界で最も影響力のある企業のリーダーたちは、AIのテクノロジーがいつの日か世代を超えた巨額の利益をもたらし、投資に見合う価値のあるものにするという物語を作ることに躍起になっている。

だが、お金になる日がいつ来るのか、あるいはその日が来るのかさえもはっきりしなくなってきている。

2024年7月30日、ワシントン州のレドモンドに本社を置くマイクロソフト(Microsoft)が2024年の第2四半期決算を発表した際、ウォール街は、AIへの何十億ドル(何千億円)ものCAPEX(設備投資や初期費用の資本的支出)から巨額の配当が得られるのかどうかを疑問に思った。

2024年のマイクロソフトの第2四半期の同社の売上高と純利益は、それぞれ前年同期比15%増の647億ドル(約9兆6807億円)と10%増の220億ドル(約3兆2951億円)となったが、同社の幹部たちは、同社のAIへの投資が投資家たちが望むような大きなリターンをいつ生み出せるかについて、慎重なメッセージを伝えている。

マイクロソフトで長年のCFO(最高財務責任者)を務めるエイミー・フッド(Amy Hood)は、投資家が待つべきタイムラインは「今から15年か、それ以降」だと語った。それはなぜか。AIを動かすために必要なコンピューティングネットワークとインフラストラクチャの構築には、莫大なコストがかかるからだ。

同社の2024年4~6月期のCAPEXは、前年同期比で約80%増の190億ドル(約2兆8389億円)に急増し、フッドCFOはテレビ会議で行われた投資家向けの業績発表で、「クラウドとAI関連の支出」がそのほぼすべてを占めていると述べた。

投資家たちは以前からこの事実を知っていた。マイクロソフトはCAPEXのおよそ半分を、AIモデルをホストするデータセンターの建設やリースに、残りの半分をサーバーやエヌビディア(Nvidia)のようなチップメーカーから購入するGPUなどに充てているのだ。

投資家たちは、テック企業がAIを長期的なチャンスとして捉えていることも知っているだろう。2023年、マイクロソフトがOpenAIに数十億ドルを投資した月に、同社のサティア・ナデラ(Satya Nadella )CEOは、「AIはS字カーブの始まりにすぎない」と述べている。

しかし、S字カーブの上昇が短期的なリターンなしに多額の資本支出に耐えることを意味するのであれば、投資家たちはそれに見合う価値があるかどうかの確信は持てないだろう。マイクロソフトが提供するクラウドサービスであるAzureは、AI時代に明らかな好況期を迎えるはずだったが、2024年の第2四半期の成長は鈍化している。

これはマイクロソフトの株価が時間外取引で7%も下落した理由の一部を説明している。