韓国、上半期の賃金未払い額が過去初めて1兆ウォン超

AI要約

上半期の賃金未払い額が過去初めて1兆ウォンを超えた。建設業の不況や新型コロナの影響で未払いが拡大している。

未払い額基準で78.9%が清算されており、被害救済措置も行われているものの、依然として600人が未清算の状態にある。

対策として雇用部は常習未払い事業主に対する信用制裁を強化し、労働裁判所の新設で被害勤労者を迅速に救済する。また、内需不振と廃業増加も未払い額増加の要因として挙げられている。

今年上半期の賃金未払い額が過去初めて1兆ウォン(約1087億円)を超えたことが分かった。建設業の景気不振が長期化し、未払い規模も拡大すると懸念される。

雇用労働部によると、今年1-6月の賃金未払い額は1兆436億ウォンと、1年前に比べて26.8%増えた。半期基準で未払い額が1兆ウォンを超えたのは初めて。賃金未払いを経験した勤労者は上半期基準で15万1000人と、前年同期比14.1%増えた。

未払い額基準で全体の78.9%の8236億ウォンは「清算」され、勤労者基準では96%の14万5000人が未払い賃金を受け取った。しかし600人は依然として清算されていない状態だ。「清算」とは政府が被害救済のために先に未払い額の一部を支給する代支給金まで含む概念であり、依然として事業主の賃金未払いは多いと分析される。

年間の賃金未払い額は2019年に1兆7217億ウォンとなった後、2020年から毎年減少したが、昨年1兆7845億ウォンに増えて過去最高となった。今年も上半期の傾向が続けば年間未払い額が2兆ウォンを超える可能性もある。

賃金未払いが増えた原因は複合的だ。まず建設景気の不振の影響が大きい。今年上半期の建設業の未払い額は前年同期比26%増の2478億ウォンとなった。保健業も賃金未払いが67.8%増の717億ウォンとなった。新型コロナなどの余波で小規模な療養型病院を中心に未払いが拡大した影響だ。また、内需不振で自営業者の廃業が増えた点も影響を及ぼしたと分析される。国税庁によると、昨年廃業申告をした個人・法人事業者は過去最多の98万6487人だった。

雇用部は賃金未払いを遮断するため常習未払い事業主に対する信用制裁を強化する一方、労働裁判所の新設などで「民刑事上ワントラック」を構築し、被害勤労者を迅速に救済する方針だ。