トランプ氏「ハリス氏は黒人に変身」 人種差別的と波紋

AI要約

トランプ前大統領が黒人記者団体の行事でハリス副大統領に対する発言を行い、波紋が広がった

発言はハリス氏の人種アイデンティティーを巡る差別的内容であり、報道官やメディアから非難された

トランプ氏は大統領選で黒人有権者の獲得を目指しているが、差別的な表現や失言が逆効果になる可能性もある

 【ワシントン時事】トランプ前米大統領(78)は31日、イリノイ州シカゴで開かれた黒人記者団体の行事に出席した。

 11月の大統領選で対決が見込まれる民主党のハリス副大統領(59)について、記者との質疑応答で「彼女は黒人と見られたいようだ」「ずっとインド人だったのに、急に黒人に変身した。誰か調査すべきだ」などと発言。ハリス氏が人種を選挙戦の武器にしようとしているという批判を試みたとみられる。

 これに対し、黒人の父とインド系の母を持つハリス氏のアイデンティティーを巡る差別的内容だとして波紋が広がった。ジャンピエール大統領報道官は記者会見で、「不快で侮辱的だ。自己認識に関して他人がものを言う資格はない」と非難。米メディアの多くも発言を批判的に報道した。

 トランプ氏は大統領選で、伝統的に民主党支持の傾向が強い黒人有権者の獲得を目指しているが、こうした「失言」がマイナスに働く可能性もある。この日も急増する不法移民が黒人の雇用を奪っていると訴えたが、「ブラックジョブ(黒人向けの仕事)」という差別的表現を使い、記者に真意を問いただされる場面もあった。

 登壇は1時間の予定だったが、トランプ氏は陣営の求めにより、35分ほどで退席した。