カマラ・ハリスは本当にトランプに勝てるのか? そして、未だ明かされない「対中政策」はどう考えているのか?

AI要約

パリ夏季オリンピックが盛り上がりを見せる中、アメリカでは激しい大統領選のデッドヒートが続いている。

ハリス副大統領が副大統領候補を指名する重要な時期であり、シャピロ知事が有力視される中、その関係が国政に与える影響が注目されている。

選挙まで3か月を切り、トランプ前大統領との対決が予想される中、ハリス氏の成長やシャピロ氏のパフォーマンスが注目されている。

カマラ・ハリスは本当にトランプに勝てるのか? そして、未だ明かされない「対中政策」はどう考えているのか?

先週末から始まったパリ夏季オリンピックが、連日盛り上がりを見せている。

だがその間にも、アメリカでは激しい大統領選のデッドヒートが続いている。しかも、このところの動きがめまぐるしい。簡単に整理すると、以下の通りだ(いずれもアメリカ東部時間)。

6月27日: ジョー・バイデン大統領とドナルド・トランプ前大統領によるTV討論会で、バイデン大統領の「老化」が顕著になる

7月11日: バイデン大統領がNATO(北大西洋条約機構)首脳会議の関連で、ウクライナのウォイロディミル・ゼレンスキー大統領を「プーチン大統領」と紹介。続く会見では、カマラ・ハリス副大統領を「トランプ副大統領」と発言

13日: トランプ前大統領が撃たれる

15日~18日: 共和党大会開催

15日: 共和党がJ・D・バンス氏を副大統領候補に選出。同氏が受諾演説

18日: 共和党がトランプ氏を正式に選出。同氏が受諾演説

21日: バイデン大統領が選挙戦からの撤退を発表、ハリス副大統領を指名

22日: ハリス副大統領が民主党の大統領候補にほぼ内定

8月1日頃: 民主党がハリス氏を正式に大統領候補に決定

7日頃: ハリス氏が副大統領候補を指名

19日~22日: 民主党大会

9月10日: 2回目のテレビ討論会(トランプ氏vs.ハリス氏)

11月5日: 大統領選挙、連邦議会選挙

この中で、私は二つの大きなポイントがあると見る。一つは、来月の上旬に、ハリス氏が誰を副大統領候補に選ぶかだ。

これについて、ワシントンのある専門家に聞くと、こう明言した。

「ハリス副大統領は、ペンシルヴェニア州知事のジョシュ・シャピロ氏を、副大統領候補に指名するだろう。51歳の敬虔(けいけん)なユダヤ人だ。

民主・共和の激戦州の出身であること、これまでの選挙戦で圧倒的な強さを見せていること、行政官としての実務能力の高さが折り紙付きなこと、そして何より、ハリス副大統領が深い信頼を寄せている政治家だからだ。ハリス副大統領とウマが合う政治家は、民主党内で意外に少ない。

もしもシャピロ知事が副大統領に指名され、民主党が大統領選に勝利したら、ハリス政権というよりも、大統領と副大統領が一体となって国政を進める『ハリス&シャビロ政権』となるだろう。それどころか、事実上のシャピロ政権となるかもしれない。つまり、ハリス大統領は『お飾り大統領』ということだ」

「お飾り副大統領」は数多いたが、「お飾り大統領」というのは、これまでのホワイトハウスではなかった概念ではないか。

もう一つのポイントは、これまで約3年半、副大統領として実績に乏しいハリス氏が、11月までに、自らの「成長」をアピールできるかだ。つまり、いまでこそ「ご祝儀相場」で、国民の支持や選挙資金が集まっているが、3ヵ月後、本当にトランプ前大統領を打ち負かせるのかということだ。この専門家が続ける。

「正直言って、その点が最大のポイントとなってくる。百戦錬磨のトランプ氏は、次々に攻撃(『口撃』?)を仕掛けてくるだろう。共和党の39歳のバンス副大統領候補も未熟だが、ハリス氏は大統領候補なので、責任や注目度がまるで違う。

結局、そこのところは、シャピロ氏がハリス氏をフォローするだろう。だが、シャピロ氏にとって、今回はゴールではない。狙っているのは、あくまでも2028年の大統領選だ。そのため、シャピロ氏がどんなパフォーマンスを見せるかは未知数だ」

アメリカの各種世論調査によれば、大統領選まで3ヵ月あまりとなった現在、「トランプvs.ハリス」の支持率は、ほぼ拮抗している。調査によって、どちらかが数パーセントのリードがあったりするが、いずれも誤差の範囲内と言ってよい。つまり、すべては「ラスト3ヵ月」の勝負だ。