差別チャントのエンソがチェルシーに合流…同僚らに直接謝罪でチーム内は解決?

AI要約

アルゼンチン代表MFエンソ・フェルナンデスが人種差別チャント騒動を謝罪し、チェルシーに合流した。

フェルナンデスは直接チームメイトに謝罪し、チームと昼食を共にした。

寄付をすることや処分の可能性など、今後の動向に注目が集まっている。

差別チャントのエンソがチェルシーに合流…同僚らに直接謝罪でチーム内は解決?

 人種差別チャントを歌った騒動から動向に注目が集まっているアルゼンチン代表MFエンソ・フェルナンデスが所属するチェルシーに合流し、チームメイトらに直接謝罪を行ったようだ。30日、イギリスメディア『BBC』が伝えている。

 今月14日に行われたコパ・アメリカ2024決勝でコロンビア代表を延長戦の末に1-0で下して大会連覇を果たしたアルゼンチン代表。しかし、祝賀ムードのなか、チームバスの中でE・フェルナンデスが自身のSNSでライブ配信を行なっていると、選手らがフランス代表に対して人種差別的なチャントを歌っているところも公開されたことで大きな騒動になっている。

 この動画は瞬く間に拡散され、アルゼンチン代表選手たちへの非難が殺到。すぐにE・フェルナンデスは謝罪を表明したものの、フランスサッカー連盟(FFF)が法的措置を取る予定であるとの声明を発表しているほか、チェルシーも内部での懲戒手続きを開始したことが明らかになっていた。

 そんな中でも、動画が拡散された直後には、チェルシーに所属するフランス代表DFウェズレイ・フォファナが自身のX(旧:ツイッター)やインスタグラムなどでこの動画に「2024年のサッカー界、抑制されない人種差別」とのキャプションを添えて非難を表明。さらに、W・フォファナに加え、DFアクセル・ディサシやDFマロ・ギュスト、FWクリストファー・エンクンクらチェルシーに所属するフランス人選手たちがE・フェルナンデスのインスタグラムのフォローを外したことも判明し、選手間の関係に軋轢が生じていることが指摘されていた。

 動向には注目が集まっていたなか、遅れて休暇を取っていたE・フェルナンデスが29日にアメリカツアー中のチェルシーに合流し、改めてチームメイトらに直接謝罪を行なったという。

 イギリス紙『デイリーメール』によると、キャプテンのリース・ジェームズやディサシが仲裁の中心となりながら、E・フェルナンデスの謝罪はチームに受け入れられた模様で、同選手はチームと練習を行い、チームメイトらと昼食も共にしたことが伝えられている。また、W・フォファナはXに投稿していた非難のポストを削除したことも明らかになっている。

 なお、謝罪を行なった際にE・フェルナンデスは自ら反差別慈善団体に寄付を行うことも表明。この姿に感銘したチェルシーは非公式ながら同クラブも同額の寄付を行うことを約束した模様で、同選手にはクラブとして制裁を科さないことを決断したようだ。

 それでも、FIFA(国際サッカー連盟)やFA(イングランドサッカー協会)などからの調査は継続中となっており、『デイリーメール』は処分が下されれば最大12試合の出場停止処分を受ける可能性も指摘している。

 そんななか、31日に行われるクラブ・アメリカとのプレシーズンマッチに向けた前日会見に出席したエンツォ・マレスカ監督は「私たちは全員、とても安心し、いい気分だ」と語りながら、チェルシーの選手全員がE・フェルナンデスの謝罪を受け入れたことを明らかにした。

「エンソ・フェルナンデスは戻ってきて、私たちと話をして悪意がなかったと表明した。その会議には私とエンツォ、そして選手ら数名がいた。ウェズ(フォファナ)も状況を説明するためにそこにいた。背景に説明できないことなどない。私たちは皆間違いを犯し、時には謝らなければならない」

「エンソは4、5回謝罪をして、選手たちはそれを受け入れた。昨日のセッションと昨夜以来、すべてが以前のようだった。彼らは皆一緒にいて、話したり笑ったりしていた。普通の状況だよ。悪意はなく、皆がいい人だとわかっているので、まさに予想していた通りになった」