ヒズボラ標的にレバノン首都をイスラエルが空爆 矢継ぎ早に緊張激化

AI要約

ハマスの最高幹部イスマイル・ハニヤ政治局長がイランで殺害される前に、イスラエル軍がヒズボラを標的にレバノンを空爆。イスラエルの緊張を高める一連の動きに地域の紛争拡大が懸念される。

ベイルート南部での空爆は、イスラエルのゴラン高原で子どもら12人が死亡した攻撃への報復。ヒズボラの幹部が標的だったと主張され、住宅地に大きな被害が出た。

イランはイスラエルの攻撃を国際法違反と糾弾、ハマスやフーシもイスラエル非難。緊張が高まり、地域の情勢が不安定化している。

ヒズボラ標的にレバノン首都をイスラエルが空爆 矢継ぎ早に緊張激化

 イスラム組織ハマスの最高幹部イスマイル・ハニヤ政治局長がイランで殺害される半日前、イスラエル軍はイスラム教シーア派組織ヒズボラを標的に、レバノンの首都ベイルート南部を空爆した。ハマス、ヒズボラ、イランの3者を相手に、緊張をますます高めるようなイスラエルの動きが続く。地域を広く巻き込む形での紛争拡大が懸念される。

 発表によるとイスラエル軍は30日、ベイルート南部への空爆を実施した。イスラエルが占領するゴラン高原のサッカー場であった、子どもら12人が死亡した攻撃への報復だと主張している。攻撃を指揮したヒズボラの幹部を狙い、殺害したとも説明している。ガラント国防相はSNSで「ヒズボラが越えてはならない一線を越えた」と攻撃の正当性を主張した。

 レバノン当局は、攻撃が住宅地に対して実施され、子ども2人と女性2人の計4人が死亡し、70人以上が負傷したと発表した。

 ロイター通信は、攻撃を受けた建物の中に幹部がいたことをヒズボラは認めたものの、生死については明らかにしていないと報じている。

 ヒズボラを支援するイランは30日、「国際法と国連憲章に明確に違反する」とイスラエルを糾弾した。イランが支援するハマスやイエメンの反政府武装組織フーシも、イスラエルを非難する声明を出した。