イスラエルがベイルート空爆、ヒズボラ幹部標的 ゴラン攻撃の報復

AI要約

イスラエル軍は、ゴラン高原へのロケット弾攻撃に対する報復として、レバノンのヒズボラ司令官を標的に攻撃を実施。

攻撃でヒズボラの作戦本部トップは生き延びたが、イスラエルとヒズボラの緊張が高まっている。

他の組織や国々もイスラエルの攻撃を非難し、紛争のエスカレーションを危惧する声明を発表。

イスラエルがベイルート空爆、ヒズボラ幹部標的 ゴラン攻撃の報復

[エルサレム/ベイルート/カイロ/ワシントン/モスクワ 30日 ロイター] - イスラエル軍は、27日に起きたゴラン高原へのロケット弾攻撃の報復として、レバノンに拠点を置く親イラン武装組織ヒズボラの司令官を標的に、30日夜にレバノンの首都ベイルート南部の郊外で「的を絞った」攻撃を実施したと発表した。 

イスラエル軍によると、攻撃の標的はゴラン高原攻撃に大きく関与した司令官だったが、レバノン治安筋2人はロイターに対し、ヒズボラの作戦本部トップのシュクル氏は生き延びたと明らかにした。

目撃者によると、現地時間午後7時40分ごろ、ヒズボラの拠点があるベイルート南部郊外で大きな爆発音が聞こえ、煙が上がるのが見えた。

イスラエルが占領するゴラン高原へのロケット弾攻撃では子どもを含む12人が死亡。ヒズボラは関与を否定しているが、イスラエルはヒズボラによる攻撃と主張している。

レバノンのハビブ外相はロイターに対し、イスラエルによる同国内への攻撃を非難し、国連に苦情を申し立てる考えを示した。

さらに、ヒズボラの対抗措置が事態をエスカレートさせないことを望むと述べた。

パレスチナ自治区ガザでイスラエルとの戦闘を続けるイスラム組織ハマスは声明で、イスラエルによるベイルート郊外への攻撃を「危険なエスカレーション」とし、強く非難した

一方、米ホワイトハウスのジャンピエール報道官は、報復攻撃の報道が伝わる中、ヒズボラとイスラエルの戦争が不可避とは考えていないという認識を強調した。

また、ロシアのタス通信によると、同国の外務省はイスラエルによる報復攻撃を「明白な国際法違反」と非難した。