「SHOGUN」エミー賞で史上最多の18冠 なぜアメリカ人の心をつかんだ?

AI要約

真田広之さん主演ドラマ「SHOGUN」がエミー賞で18冠を獲得。日本を描いた作品がアメリカで大ヒットした理由とは。

SHOGUNの成功は、日本の制作陣の細やかな工夫や本物志向がアメリカの視聴者に受け入れられた結果である。

真田広之さんはアメリカでも知名度が高く、映画・ドラマファンにとっては重要な存在。今後の制作に期待の声も上がっている。

「SHOGUN」エミー賞で史上最多の18冠 なぜアメリカ人の心をつかんだ?

 真田広之さん主演ドラマ「SHOGUN」がエミー賞で、なんと18冠を獲得しました。

 まさに“歴史が動いた瞬間”を現地で取材した、ロサンゼルス支局の力石大輔記者に、なぜ「日本を描いた作品」がウケたのか。そしてアメリカ人にとっての真田広之さんはどういった存在なのか。この2点について聞きます。

 SHOGUNはセリフの大半が日本語だが、どうしてアメリカ人の心をつかんだ?

力石記者:

日本の制作陣の細やかさが言葉や文化を越えて、アメリカ人の心にも届いたと思います。

脚本は、最初は英語で作られました。それをまず日本語に訳し、さらに日本人が時代考証します。実際に日本の俳優が読む時に「ちょっとしっくりこないな」という時は変えていきます。変わって実際に収録された日本語を、字幕用にもう一度、英語へ翻訳し直して字幕にしました。これがアメリカの視聴者にも「これは本物だ」と伝わったわけです。

アメリカの制作陣の中にも「以前であれば英語で分かればいいじゃないか」という温度感があったそうですが、今は「その国の本当のことを伝えた方が面白い」と本物志向へ変わってきています。

視聴者も変わってきています。話を聞くと、韓国ドラマや映画のヒットもあったので、字幕で作品を楽しむことが苦じゃないという人が増えてきています。

根本にはマーケットの変化があると思います。白人の割合が減る中で、有色人種が増えています。去年制作された配信映画の半数近くの主演が有色人種だったそうです。

「ハリウッドの本当の多様化」というのが、今回のSHOGUN旋風で明らかになったと思います。

 SHOGUN旋風を起こした真田広之さんは、アメリカではどんな存在?

力石記者:

野球ファンが大谷翔平選手を必ず知っているように、映画・ドラマファンは、日本人俳優といえば渡辺謙さんと真田広之さんの2人の名前が必ず出ます。2人とも20年ほどハリウッドで活動されていますし、真田さんはアメリカ人なら誰でも知っているレイトショー、日本でいう『徹子の部屋』みたいな番組に出ていました。これは本当にセレブの証明の一つです。これまではアジア系で有名な俳優だったかもしれませんが、今ではアメリカのセレブの一人という位置づけになっています。

今回、制作にも大きく関わりましたが、今後、真田さんがまた制作に関わったハリウッド大作が出るんじゃないかと期待したいと思います。

(スーパーJチャンネル「newsのハテナ」2024年9月16日放送)