北方墓参の合意「無効」 鈴木氏利用し日本けん制か ロシア

AI要約

鈴木氏がロシア首都モスクワでガルージン外務次官と会談し、北方四島の元島民による墓参の再開を求めたが、1986年の合意は無効とされたことが明らかになった。

ロシア外務省は日本の対ロ制裁に反発し、四島のビザなし交流に関する合意を破棄したが、墓参を認めた合意は有効という立場を示している。

鈴木氏は会談でコンブ漁の早期再開を要請し、ロシア側は灯台修理が終わる8月3日を示唆した。

 無所属の鈴木宗男参院議員は30日、訪問先のロシアの首都モスクワでガルージン外務次官(前駐日大使)らと会談した。

 鈴木氏によると、北方四島の元島民による墓参の早期再開を求めたところ、根拠となる1986年の合意は「無効」とロシア側の担当者から聞かされた。

 ロシア外務省はウクライナ侵攻開始後の2022年9月、対ロ制裁を科す日本に反発し、四島の「ビザなし交流」に関する合意を破棄。一方、墓参を認めた合意は「有効」という立場を繰り返してきた。ロシア側の説明が事実なら、鈴木氏を利用して日本側をけん制しようとしている可能性がある。岸田文雄首相は30日、墓参などの再開が「日ロ関係での最優先事項の一つ」と強調していた。

 鈴木氏は今回の会談で、灯台修理を理由に停止された北方領土の歯舞群島・貝殻島周辺のコンブ漁を日本の漁業者に認めるよう要請。ロシア側の担当者は「8月3日に修理が終わる」と述べ、早期再開を示唆したという。