フランスに続きドイツまで…欧州で相次ぐ鉄道放火に「ロシア関与説」

AI要約

29日にドイツで鉄道への放火事件が発生し、ウクライナ支援を考慮したロシアの可能性も指摘されている。

フランスでも鉄道や通信ケーブルへの攻撃があり、ロシアの関与疑惑が浮上している。

ロシア政府は否定しており、西側の非難を非難している。

パリ五輪が開かれているフランスに続きドイツでも29日に鉄道への放火事件が発生し当局が捜査に入った。放火事件の政治的動機に捜査の焦点が合わされる中で、一部ではウクライナを支援する欧州諸国のインフラに対するロシアの攻撃の可能性が提起された。これに対しロシア政府は「根拠のない誹謗を中断せよ」と反発した。

アナドル通信などによると、この日ドイツのブレーメン警察はハンブルグとブレーメン北部をつなぐ鉄道路線に放火攻撃があったと明らかにした。ドイツ鉄道は午前4時ごろ火災を確認して一部区間を閉鎖する一方、ブレーメン中央駅を経由する列車を迂回運行した。この日ブレーメンから北東に約100キロメートル離れたハンブルグ近隣の鉄道でも同様の火災が発生した。火災による負傷者はなかった。

警察によると、身元不明の容疑者が放火装置を利用してブレーメン近くの線路にある電気・通信配線装置に火を付けた。消防当局はすぐに火を消し、被害規模は確認中だ。ドイツ連邦警察は放火の跡などの証拠を収集した上で、犯罪の政治的意図に捜査を集中している。

◇仏、五輪直前に鉄道放火…通信ケーブル切断も

フランスでは26日の五輪開会式直前にパリを発着する高速鉄道の複数の線路でケーブルが放火攻撃を受け、高速鉄道(TGV)の運行が大挙取りやめたり遅れが出たりした。当時パリと北部、東部、南西部を結ぶ鉄道周辺のケーブルに何者かが火を付けて電力供給が遮断され鉄道網がまひした。五輪に支障はなかったが、週末と夏休みシーズンを迎え休暇に出かけようとしていたフランス人と観光客ら80万人が影響を受けた。フランス鉄道公社(SNCF)は復旧作業を終え、現在すべての列車が正常運行している。

続けて28日と29日には深夜にフランスのブーシュ・デュ・ローヌ、オワーズ、オードなど全国6地域でSFRとブイグテレコム、フリーモバイルなど複数の通信会社の光ファイバーケーブルが切断された。同国デジタル担当相はXに「昨夜通信会社が複数の地域で被害を受け、これにより有線・無線電話接続に局地的な影響があった。こうした卑怯で無責任な行為を強く糾弾する」と投稿した。

ケーブル攻撃の被害を受けた通信会社フリーモバイルは「きょう明け方から全国ネットワークが深刻な速度低下に陥っている。現在技術者を総動員している」とXで伝えた。被害規模はまだ明らかになっていないが、五輪の競技が主に開かれるパリに影響はないという。

フランスとドイツ当局は犯行動機と背後を追跡している。すでにフランス当局は26日の鉄道網放火と関連し極左活動家1人を逮捕した。逮捕された男は28歳で、SNCFの技術設備と装備などに接近できる鍵と針金などを切れるペンチ、汎用鍵セットなどを持っていたと現地紙は伝えた。

◇「ウクライナ支援する欧州諸国のインフラ攻撃か」

ロシア関与説も提起された。アナドル通信は2022年にロシアの侵攻で始まったウクライナ戦争後、ウクライナを積極支援してきたドイツにここ数年間主要インフラに対する広範囲な攻撃がなされたと伝えた。実際に26日にドイツの国家情報院が出した報告書は欧州一帯でロシアの妨害工作が増加していると警告した。

フランスでも線路と電気・通信ケーブルに対する放火の背後勢力としてイランや極左勢力とともにロシアが名指しされた。エコノミストはフランスのマクロン大統領がウクライナに対する支持を強化し、ロシアがフランスを含む欧州全域でフェイク情報と破壊攻勢を強化していると伝えた。

これに対してロシア政府は「ロシアに対する根拠のない非難を中断せよ」と反論した。ロシア大統領府のペスコフ報道官は29日の会見で、「西側はあらゆる誤った事件の背後としてロシアを非難するのを止められずにいる」と批判した。