フランス国鉄施設の近くで不審な動きの男を逮捕 仏メディア報道

AI要約

フランス国鉄(SNCF)の施設付近で不審な動きをした極左戦闘員が逮捕された。

男性の車両からは鍵や書物などが見つかり、取り調べが行われている。

パリ・オリンピック前に高速鉄道網で放火が発生し、内相は複数の容疑者を特定したことを明かした。

フランス国鉄施設の近くで不審な動きの男を逮捕 仏メディア報道

フランス・メディアは29日、フランス国鉄(SNCF)の施設近くで不審な動きをしていたとして、警察が「極左戦闘員」を逮捕したと伝えた。

複数の捜査関係者の話としてフランス・メディアが伝えたところによると、逮捕した28歳男性の車両から、鉄道の機械設備施設への鍵、ペンチ、万能鍵、「極左関連」の書物などが見つかった。

報道によると、当局はルーアンで男を取り調べているという。

パリ・オリンピック開会式を目前に控えた26日にフランス高速鉄道網の複数拠点が放火され、連携攻撃が疑われている事件に、この男が関係していると示す内容は明らかになっていない。

■開会式直前の鉄道妨害

26日にはパリの西部、北部、東部で高速鉄道TGVの3路線が被害を受け、パリ発着の列車の運行に大きな影響が出た。このため当日には推定25万人、さらに週末には数十万人が影響を受けたとされる。

ジェラール・ダルマナン内相は29日朝、TGV放火についてテレビでコメントし、「きわめて意図的な、そしてきわめて標的を絞った破壊工作を実施できたかもしれない複数の人物」を特定したと述べた。

ダルマナン内相は、鉄道放火に使われた手段は極左の「伝統的」な手口だったとして、破壊工作の背景には「おそらく政治的主張がある」とも話した。

「問題は、(容疑者たちが)何者かに操られていたのか、それとも自分たちのためにやったことなのかだ」とも内相は述べ、捜査は速やかに進んでいると話した。

フランス国鉄に協力者がいたとは内相は言明しなかったものの、放火は鉄道網のどこを狙うか「極めて限定」して特定したと指摘。「非常にはっきり狙いを定めており、決して無作為ではなかった。そして3本の主要路線に影響を与えた」と、ダルマナン氏は述べた。

内相はさらに、五輪開幕前には約50人が逮捕されており「オリンピックの冒頭で、破壊工作か、過激な抗議行動をパリで実施しようとしていた」のだと述べた。この約50人には、約150人の協力者がいたと考えられている。

仏メディアによると、28日夜から29日朝にかけて国内6カ所で複数の通信事業者の光ファイバーケーブルが切断され、一部地域でインターネット回線に影響が出た。

どちらの事案についても犯行声明は出ていない。仏は警備当局筋の話として、鉄道への放火は極左の手口そのものだと伝えている。

パトリス・ヴェルグリエト運輸相は29日、鉄道の運行は正常に戻ったと発表した。週末をかけて修復作業を進めたという。

今後の安全確保のため、数千キロに及ぶ鉄道網をドローン(無人機)や警察ヘリコプターなどで監視していくと運輸相は話した。

(英語記事 Man arrested over suspected French railway vandalism)