米大統領選に異変が…!追い風が吹き始めたハリス氏は、早期の戦争終結や保護主義への歯止めをかけられるのか?

AI要約

バイデン大統領に代わる民主党の米大統領遙候補として登場したカマラ・ハリス副大統領が、トランプ前大統領に待ったをかける勢いを見せている。

ハリス氏の演説や人気歌手らの援護射撃により、支持を取り戻し始めており、世論調査でもトランプ氏を上回る結果も見られる。

ハリス氏が大統領に就任した場合、その政策運営や国際情勢への影響、経済運営への取り組みなどが注目されるだろう。

米大統領選に異変が…!追い風が吹き始めたハリス氏は、早期の戦争終結や保護主義への歯止めをかけられるのか?

10日前には予想もできなかったが、新たな風が吹き、バイデン大統領に代わる民主党の米大統領選候補の本命に踊り出たカマラ・ハリス副大統領が、暗殺未遂事件の被害者として勢い付いていたトランプ前大統領(共和党の大統領候補)の独走に待ったをかける勢いだ。

持ち前の舌鋒鋭い演説と、若者に人気の歌手らの援護射撃、民主党内にまん延していた危機感などに支えられて、離れかけていた民主党支持者や若者の支持を取り戻し始めている模様なのである。世論調査の中にはトランプ氏を上回ったというものも散見される。

果たして、ハリス氏は、この追い風に乗り、米国大統領の座を射止められるのだろうか。

ハリス大統領が誕生した場合、その政策運営はどうなるのだろうか。終わりの見えないウクライナやイスラエルのガザ地区で進行中の戦争は早期終結に向かうのか。経済運営と保護主義化する一方だった通商政策への影響も探ってみよう。

まず、ハリス氏自身が旋風を巻き起こしている側面を示そう。今回、大統領候補になって以降に行った選挙演説の様子がバイデン氏のものと様変わりなのだ。

例えば、先週火曜日(7月23日)に、スイングステート(選挙のたびに勝つ政党が変わる激戦州。今回は大統領選の帰すうを左右すると7州が注目されている)のひとつ中西部ウィスコンシン州のミルウォーキーで行った演説だ。

ハリス氏は聴衆に、自由、平等、機会の均等といった権利をあげ、これらを保障しているのが民主主義国家の「米国の約束」だと説明。将来も安心して「米国の約束」のある国に住み続けたいか、それともトランプ政権の再来を念頭に暴力や恐怖が支配する国に脅えながら住みたいのかと問いかけた。

語り口が格調高く、かつてのケネディ大統領やオバマ大統領の演説を彷彿させたようだ。終了後、テレビインタビューに応じた聴衆が口々に、こういうエネルギッシュで志の高い主張を聞きたかったのだと話していた。

その一方で、ハリス氏は、下品にならないようにトランプ氏の弱点を突いた。

「消費者をだます詐欺師や、己の利益のためにルールを破る者など、(私は検察官として)あらゆる犯罪者と闘ってきた」と自身が政治家(上院議員)になる前は、カルフォルニア州司法長官など検察官としてキャリア積んできたと前置き。ひと呼吸を置いて、いたずらっ子のような笑顔を浮かべ、「(それゆえ、)私は、トランプ氏のようなタイプを知り尽くしている」と皮肉ってみせたのである。