巨額の寄付金が示す熱狂 ハリス支持へハリウッドスター結集で起きること

AI要約

ハリウッドでは、民主党の次期大統領候補としてカマラ・ハリスがほぼ確実となり、ムードが盛り上がっている。

一部の支持者からのバイデンの撤退を求める声もあったが、バイデンは撤退を表明せず、その後にトランプの暗殺未遂事件やJ・D・バンスの副大統領候補指名があり、共和党が団結し勢いづいている。

しかし、現地時間21日、バイデンが撤退を宣言し、ハリス支持を表明。意外な展開となった。

巨額の寄付金が示す熱狂 ハリス支持へハリウッドスター結集で起きること

 ハリウッドが、喜びに沸いている。『デッドプール&ウルヴァリン』や『インサイド・ヘッド2』のおかげで映画館に人が戻ってきたからではない。もちろんそれも嬉しいが、民主党の次期大統領候補がカマラ・ハリスでほぼ確実となり、一気にムードが盛り上がってきたからだ。

 圧倒的に民主党支持者が多いハリウッドには、先月下旬のトランプとバイデンのテレビ討論会以来、暗いムードが立ち込めていた。バイデンの再選を望んできた人々も、明らかに歳を取った彼の姿を目の当たりにして「これではトランプに勝てない」と、頭を抱えたのだ。

 そこで支持者の間から出てきたのが、バイデンに撤退してもらい、新たな候補を立てるべきだという主張。その直前までバイデンに寄付をしてきたドラマ『LOST』のクリエイター、デイモン・リンデロフは、状況を野球の試合に例え、「リリーフ投手に変わるまで寄付を止めよう」と呼びかけた。

■ジョージ・クルーニーも新候補を望んでいた

 長年のバイデン支持者である映画監督ロブ・ライナー(『スタンド・バイ・ミー』『恋人たちの予感』)も、「トランプが勝って民主主義が失われることを避けるために」と、撤退を呼びかけた。

 中でも、ジョージ・クルーニーが「I Love Joe Biden. But We Need a New Nominee(私はジョー・バイデンが大好きだ。だが、私たちには新たな候補者が必要)」という見出しの意見記事を「The New York Times」に寄稿したことは、大きな注目を集めた。しかし、続投への意志を曲げないバイデンを支持し続ける人、あるいは気遣って本音を言えない人も多く、意見にまとまりがなかった。

 そんなところへ、トランプの暗殺未遂事件が起きたのだ。この恐ろしい出来事を受けて、共和党は団結。「トランプは“選ばれし者”だから助かったのだ」と神格化するような声まで一部の支持者から出たところへ、さらに39歳のJ・D・バンスが副大統領候補に指名されると、キャンペーンは大きく勢いづいた。何もできずに手をこまねいているだけの民主党との差は広がるばかりだ。

 と思っていたら、現地時間21日、バイデンが撤退を宣言し、ハリスへの支持を表明したのである。民主党の大物や、熱烈な支持者ですら予想しなかったバイデンのその行動は、すべてを変えた。